Author Archives: Kaori Fujiki

英語奮闘記 at MIIS

こんにちは。国際環境政策(IEP)専攻2年生の藤木です。ただいまMIIS内は学期末試験の時期で、図書館は連日満席です。

さて、私はこの18日にMIISを卒業します。思い返してみればあっという間の留学生活でした。予想はしていたものの、留学生活は24時間常に課題に追われている毎日でした。そして何よりも、英語との奮闘に尽きる日々でした。今回は、私の留学生活振り返りと称して、主に学校生活での英語奮闘記をお送りします。

留学開始当初は、学校では授業内容を聞き逃してはいけないという思いから、耳を強制的にダンボ状態にすることに必死でした。教授は皆比較的はっきりと話してくれますが、英語ネイティブのクラスメイト同士のディスカッションはスラングだらけでとても速く、5分程のディスカッションのトピック自体が理解できない、という事態にもしばしば遭遇しました。そういう時は、自分がまるで子供になった気がして悲しくなったのを覚えています。

授業内でのディスカッションは、私にとって難関の一つでした。政策関係のクラスではよく、授業の最後に数人で2〜30分程話し合い、その場で簡単な政策分析を発表する機会がありました。これが、時間がないので皆とにかく早口なのです。自分の意見を言おうにも、矢継ぎ早のディスカッションになかなか割って入れない。5回ほどチャレンジして失敗した挙げ句、メンバーの1人が見かねて助け舟を出してくれたこともありました。グループディスカッションには優しいクラスメイトの助けも借りながら徐々に慣れていきましたが、未だに苦手です。

プレゼンテーションも私には大仕事の一つでした。元々、人前で話すのは日本語でも大の苦手だからです。その為、留学生活で初めてのプレゼンテーションは英語ネイティブのクラスメイトにもチェックしてもらい、時間を計って何度も練習しました。そのプレゼンテーションで教授とたくさんのクラスメイトに褒めてもらえたことでとても自信がつき、その後はプレゼンテーションに対する恐怖感は無くなりました。

この英語奮闘生活を支えてくれたのは、必修の英語クラスです。特にライティングは、自分の想像を遥かに超える膨大な量のフィードバックを毎週教授から受け取っていました。週2回授業+宿題は確かに時間を取りますが、この授業がなければ、政策ペーパーを書くライティング力はつかなかったと思います。また、留学生活を通して行っていた、週1-2回のランゲージエクスチェンジ(ランゲージパートナーと会って1時間程英語を話す練習をしていました)も、大変助けになりました。日常会話でよく使う表現等も教えてもらえますし、何よりも会って話すのが楽しいので気分転換にもなり、英語を勉強している方にはお勧めです。

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先日、英語のクラスで巻き寿司の作り方のトレーニングセッションを行いました!

これからMIISを目指す英語が苦手な方に、この記事を少しでもご参考にして頂ければ嬉しいです。

MIIS国際環境政策プログラム(IEP)について

こんにちは。国際環境政策(以下、IEP)専攻2年生の藤木です。
今回は予告通り、IEPの具体的なクラスとその様子や、日々のスケジュール等をお届けします。

IEPのカリキュラムは、必修科目24単位、選択科目24単位及び外国語12単位の、合計60~64単位で構成されています。専門コースとして4コース(ビジネス・サステナビリティと開発、エネルギーと気候変動、自然資源政策とマネジメント、海洋及び沿岸資源管理)が設定されています。詳しい情報はこちらのリンクをご参照ください: http://www.miis.edu/academics/programs/environmentalpolicy/curriculum

必修科目には、「環境政策の為の基礎自然科学」「環境法と政策」等、環境政策を扱うにあたって必要な各分野の基礎を全般的にカバーするクラスが並びます。選択科目には、より専門性の高い科目が用意されています。例えば、私は先学期、ビジネス・サステナビリティと開発コース上にある「ビジネス・サステナビリティと社会」というクラスで、企業のサステナビリティ・アセスメント・プロジェクトとして、4人グループでデンマークの大手商船会社のアセスメントを行いました。アセスメントに必要な要素やツールを授業で学びながら、実際に関係者にインタビュー等をしてペーパーをまとめる、実践的で面白い経験ができました。

必須科目のクラスは15〜30人程度と比較的多人数で講義形式のクラスが多いですが、選択科目は8〜10人程度でディスカッションメインのセミナー形式クラスが大半です。2012年秋学期から、IEPとMBAのジョイント・ディグリー・プログラムが新しく創設され、IEPのクラスを受講するMBAの学生が大幅に増えました。その為、クラス毎の人数は以前より全体的に多くなっている傾向ですが、その分学生の意見の幅も広がり、クラス内でのディスカッション内容も、純粋な環境保護視点からビジネス寄りの視点まで、より多様になったというのが、個人的な見解です。

IEPの大半のクラスにおいて、成績評価はテストではなくペーパーと日々の宿題や授業参加によって行われます。プレゼンテーションが多いのも、IEPの特徴の様です。各クラス最低1〜2回は、個人又はグループでのプレゼンテーションが課されます。

IEP学生の日々のスケジュールは、アメリカの大学院生としてはごく平均的なものではないかと思います。私の1学期目のスケジュールは、月〜木に2時間授業が2コマずつあり、金土日はオフでした。月〜木は授業外時間をほぼ図書館で宿題に費やし、帰宅は通常夜10~12時頃でした。金土日は午前中寝坊して家事や買い出し等をしつつ、再び宿題の続きをする、といった感じでした。2学期目以降の平日も、授業以外はほとんど宿題かグループミーティングのどちらかをしていました。

私の場合、英語ネイティブスピーカーや帰国子女の方達と比べてリーディングのスピードが圧倒的に劣るため、日々大量のリーディングをこなすのに最初は特に苦労しました。英語との奮闘については、次回詳しく書きたいと思います。

最近モントレーはめっきり春らしくなり、ハイキング日和が続いています。写真は、モントレーから車で20分程のところにあるハイキングコースでの一場面です。

Monterey ocean

Garrapata State Park

それではまた。

MIISで環境政策を学ぶに至るまで

皆さま

はじめまして。今回初めて投稿させて頂く、国際環境政策専攻2年生の藤木と申します。

MIISには、通訳翻訳プログラム(日本語専攻)以外にも、日本人学生が少なからず在籍します。とは言え、私の学ぶ国際環境政策プログラムには2013年春学期現在で、約40人中1人です。プログラム全体における留学生の比率及び出身地は、毎年変動するので一概には言えませんが、私の知る限り過去3年間で、日本人留学生は毎年1〜2人です。

今回は、私がMIISで国際環境政策を学ぶに至るまでの簡単な経緯をご紹介します。私は日本生まれの日本育ちです。小中高と日本の公立校に通い、大学では化学を専攻しました。大学卒業後は某自動車用品メーカーの海外営業部で働いていましたが、4年程勤務した後、退職して大学院で環境政策を学ぶことに決めました。

学生の頃から環境保全活動に興味があり、新卒での就職活動時には、環境NGOで働いてみたいとも思っていました。しかし、2000年代前半当時の日本社会にはまだ圧倒的に「環境保護=ボランティア=お金のある人が善意ですること」という固定概念が通っており、また、数少ない日本での環境NGOも新卒採用はしておらず、仕事として環境問題に関わることはなかなか難しいのが現実でした。

結果的に某メーカーに就職して働き始めたのは、「気候変動」という言葉が市民にも定着し、環境に対する企業責任という考え方が日本でも取り入れられ始めていた頃でした。「環境に優しい」を謳い文句にした商品が自社他社問わず次々に売り出され始め、「環境に優しい」とはどういうことなのか、私はよく考えるようになりました。仮に商品単体が「環境に優しい」としても、事業全体が「環境に優し」くなければ、それは単なる利益追求手段の一つで、グリーンウォッシングと呼ばれても否定できないのではないか。

そんな疑問が募り、環境問題に関わる仕事へのキャリアチェンジを目標に、大学院で専門知識を学ぶことにしました。毎日深夜まで仕事に追われる中、どうせ起きている時間の大半を費やすくらい仕事に情熱を傾けるのなら、より自分が興味のある仕事をしたいと考えたことも、決断を後押ししました。

環境政策分野に関しては、日本よりもアメリカの方が、大学院のカリキュラムも実際の政策も進んでいると分かり、アメリカに留学することにしました。MIISを選んだ理由の一つは、カリキュラムが環境政策のバックグラウンドを持っていなくても基礎から学べるように組まれていること、また、理系と文系の両科目が含まれていることでした。また、モントレーは、多くの環境NGOが本部を置くサンフランシスコに近いこと。モントレー沿岸自体も海洋保護区として様々な環境政策が実施されている地であること。そして、日本にひけを取らない安全な治安状態と雪の降らない穏やかな気候が決め手となりました。

次回は、国際環境政策プログラムの具体的なクラス内容とその様子、日々のスケジュール等をお届けします。

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モントレーには日本よりも一足先に春が訪れています。