TEDxMontereyでの日本語通訳

2013年4月13日にモントレー国際大学院の講堂で、TEDxMontereyというイベントが開かれました。TEDというのは日本でもお馴染みの講演会で、様々な分野(学術、テクノロジー、デザイン、エンターテイメントなど)についてプレゼンターが面白いアイディアや発見を説明してくれるイベントです。TEDxのxは、独自に企画されたという意味で、TED本体に似たような経験ができる場として各地で広まりました。

 

TEDx1TEDxMontereyは、入場券を買って生で聴くこともできるのですが、当日、私はイベントのライブストリーミングで日本語の通訳を聴くことにしました。今回は、2年生のマット・コルピッツさんと森千代さんが同時通訳を担当しました。まず気づいたのが、通訳だけを聴く機会がこれまで少なかったということです。授業中は自分自身が通訳をしているので、必ず原文も聴いています。クラスメートの通訳だけを聴く場合もありますが、原文をphoto (3)考えずに通訳だけに集中するというのは、難しいものです。しかし、今回のTEDxでは、オリジナルのプレゼンは聞かずに通訳だけを聴くことにしました。2年生のお二人は、とても上手な通訳をしていました。文章構成もきれいで、プレゼンの中に出てくる専門用語も確実に押さえていました。オリジナルのプレゼンを聴かない分、通訳に頼り、通訳の重要性を改めて考えさせてくれる機会にもなりました。

 

TEDxMontereyは日本語だけではなく、中国語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の学生が同時通訳をしました。また、プレゼンのトピックも様々で、日本語通訳のお二人がカバーしたものは、種子銀行の写真撮影、アイデンティティ、アフリカの水問題、小魚や絵本の紹介でした。様々なトピックを取り上げるため準備も大変だと思いますが、準備の大切さも改めて痛感しました。来年はこのようなイベントで通訳ができるように励みたいと思います。

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通訳クラスとの合同プレゼンテーション

皆さん、こんにちは。国際経営学(MBA)専攻の玉井です。今回はモントレー国際大学院の特徴的な授業の様子についてお話していきたいと思います。
MIISのMBAプログラムには、会計学、経済学、統計学のようなビジネス系の必修クラスの他に、外国語のクラスもプログラムに含まれています。通訳・翻訳や英語教授法を専攻していない学生は「English for Academic and Professional Purposes」という英語の授業を取ることが基本になっており、現在の受講生においては主に日本、中国、エジプト、サウジアラビアなど英語圏以外の学生がいます。この授業では英語論文の書き方やプレゼンテーションの仕方などを学ぶことができ、私のような英語圏の大学出身でなかったり英語をメジャーとしていなかった学生にはとても有意義なクラスとなっています。

プレゼンテーションの様子

プレゼンテーションの様子

私が今学期受けている英語の授業は「Intercultural Competence in the US and English Skills Development」といい、文化、人種、宗教、言語など異なる背景から生ずる問題について学ぶことを目的としています。先日4月5日、この授業においてプレゼンテーションセッションがありました。パネリスト6人がそれぞれのテーマに添ったプレゼンテーションを行い、その後パネルディスカッションや質疑応答が行われました。

今回のプレゼンテーションのテーマは「American Dream」だったのですが、

通訳ブース

通訳ブース

各々の発表内容としては、「メディアが与えるアメリカンドリームへの影響」「アフガニスタン移民としてのアメリカンドリーム」「アメリカと中国の成功に対する考え方の比較」「日本の英語教育に対する考察」などでした。プレゼンターの出身国も様々だったため、アメリカンドリームというテーマ一つでも異なる考え方やプレゼンテーションの手法を学ぶことができました。

このプレゼンテーションセッションのユニークな点としては、通訳クラスと合同で行ったということが挙げられます。MIISには会議通訳コースがあり、このようなクラスでは通訳クラスの生徒が同時通訳を行なってくれることがあります。今回のセッションではフランス語通訳クラスと合同で行い、6人のプレゼンターのうち3人が英語、3人がフランス語で発表を行いました。フランス語話者でない参加者はトランシーバーのような機械を装着し、会議場の後方にある専用ブースから同時通訳された英語を聞くことができました。

通訳を聞く機械

通訳を聞く機械

私自身は発表せず観客として参加したのですが、プレゼンターの内容や発表方法をメモしたり質疑応答時に質問をするなど、この貴重な機会を活用することができました。このようなプログラムを越えた合同スタイルの授業は、MIISの卒業生が国際ビジネスの世界や国連、国際機関のような環境で活躍していく上で、視野を広げる効果的なカリキュラムであると感じました。

4月も中旬に差し掛かり、1年目のプログラムもあと少しとなってきましたが、授業や日々の生活から留学生活を充実させたものにして行きたいと思います。

MIIS国際環境政策プログラム(IEP)について

こんにちは。国際環境政策(以下、IEP)専攻2年生の藤木です。
今回は予告通り、IEPの具体的なクラスとその様子や、日々のスケジュール等をお届けします。

IEPのカリキュラムは、必修科目24単位、選択科目24単位及び外国語12単位の、合計60~64単位で構成されています。専門コースとして4コース(ビジネス・サステナビリティと開発、エネルギーと気候変動、自然資源政策とマネジメント、海洋及び沿岸資源管理)が設定されています。詳しい情報はこちらのリンクをご参照ください: http://www.miis.edu/academics/programs/environmentalpolicy/curriculum

必修科目には、「環境政策の為の基礎自然科学」「環境法と政策」等、環境政策を扱うにあたって必要な各分野の基礎を全般的にカバーするクラスが並びます。選択科目には、より専門性の高い科目が用意されています。例えば、私は先学期、ビジネス・サステナビリティと開発コース上にある「ビジネス・サステナビリティと社会」というクラスで、企業のサステナビリティ・アセスメント・プロジェクトとして、4人グループでデンマークの大手商船会社のアセスメントを行いました。アセスメントに必要な要素やツールを授業で学びながら、実際に関係者にインタビュー等をしてペーパーをまとめる、実践的で面白い経験ができました。

必須科目のクラスは15〜30人程度と比較的多人数で講義形式のクラスが多いですが、選択科目は8〜10人程度でディスカッションメインのセミナー形式クラスが大半です。2012年秋学期から、IEPとMBAのジョイント・ディグリー・プログラムが新しく創設され、IEPのクラスを受講するMBAの学生が大幅に増えました。その為、クラス毎の人数は以前より全体的に多くなっている傾向ですが、その分学生の意見の幅も広がり、クラス内でのディスカッション内容も、純粋な環境保護視点からビジネス寄りの視点まで、より多様になったというのが、個人的な見解です。

IEPの大半のクラスにおいて、成績評価はテストではなくペーパーと日々の宿題や授業参加によって行われます。プレゼンテーションが多いのも、IEPの特徴の様です。各クラス最低1〜2回は、個人又はグループでのプレゼンテーションが課されます。

IEP学生の日々のスケジュールは、アメリカの大学院生としてはごく平均的なものではないかと思います。私の1学期目のスケジュールは、月〜木に2時間授業が2コマずつあり、金土日はオフでした。月〜木は授業外時間をほぼ図書館で宿題に費やし、帰宅は通常夜10~12時頃でした。金土日は午前中寝坊して家事や買い出し等をしつつ、再び宿題の続きをする、といった感じでした。2学期目以降の平日も、授業以外はほとんど宿題かグループミーティングのどちらかをしていました。

私の場合、英語ネイティブスピーカーや帰国子女の方達と比べてリーディングのスピードが圧倒的に劣るため、日々大量のリーディングをこなすのに最初は特に苦労しました。英語との奮闘については、次回詳しく書きたいと思います。

最近モントレーはめっきり春らしくなり、ハイキング日和が続いています。写真は、モントレーから車で20分程のところにあるハイキングコースでの一場面です。

Monterey ocean

Garrapata State Park

それではまた。

休みの過ごし方

忙しい二学期目もいよいよ後半へと突入し、もうすぐ私達一年生も二年生になります。せっかくアメリカに居るので、アメリカの文化を体いっぱい感じたいものです。そういう観点から、先週の投稿と多少被ってしまいますが、私の休みの過ごし方について少し書いてみたいと思います。

bikes 1冬休みはサンフランシスコまで自転車で旅をしました。往復一週間の旅です。片道200 km以上ありました。ルームメイトとの二人旅です。道中あちらこちらにモーテルがあり、足がとても疲れたり、おしりがすごく痛くなったりした以外は特に不自由などはありませんでした。ゴールデンゲートブリッジでタイヤがパンクして痛い思いなどはしましたが、概ね楽しい旅でした。携帯用の空気入れは持っておいた方がよさそうです。ちなみに、この話をすると大抵の人が驚きます。というよりも、安い自転車(90ドル程度)で何をやっているのだとあきれられることもしばしばありました。ハイリスク、ハイリターン、ローコストです。しかし、ワトソンビルからサンノゼへ向かう道中の山を登るとき、おばさんが危ないからと言ってトラックに僕たちと自転車を一緒に乗せてくれたのは良い思い出です。ワインの試飲中にアメリカンフットボールの49ers関連の話を店の人達が話し合っているのを聞きながらのんびりと休むことも出来ました。bikes 2途中ダブリンで翻訳会社におじゃまし、アメリカに住む日本人のことや翻訳ビジネスに関する様々な話を聞くことも出来ました。しかし、オークランドで自転車のライトを盗られたので、気をつけないといけません。美味しいラーメンも食べました。少し冒険すれば、外には面白いことが沢山あります。危ないので、自転車での長距離の旅は誰にでもオススメできることではありませんが、体力に自信のある方であれば、やってみる価値はあると思います。勉強ばかりでなく、遊びにも本気で挑んでこそ、留学は実り多いものになるのではないでしょうか。

それから、春休みもWBCの準決勝(日本対プエルトリコ戦)を見たり、大学のカリフォルニア同窓会に参加したり、テニスラケットを買ってテニスをしたり、ナパ・ヴァレーに行ってワインテイスティングをしたりと存分に楽しみました。baseballモントレーには無料でテニスやジムを利用できるMPC(モントレーペニンシュラカレッジ)もありますし、太鼓教室もあります。また、スポーツセンターもランニングに適した浜辺などもあります。それから、テニスラケットなどは日本の半額程度で手に入ります。

日々の勉強としては、日本語と英語で書かれたものを10分ずつ書き写す写経を続けています。また、最近ルームメイトと話すときは5分でも良いから敬語で話す練習や英語で話す練習をしようと決めました。

これからも、留学経験を充実させ、心身ともに鍛えて行きたいと思います。

通訳・翻訳者にも息抜きは必要!〜健康管理について〜

皆様、やわらかな春の日差しがうれしい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。モントレーで桜はもう満開を迎えました。

さて、キャリアフェアや中間試験が終わったということで、この度は健康管理についてお話させていただきます。

Mardi Gras Museum

ルイジアナ州のMardi Gras Museum

今学期から校内で多くのKeep Calm Wellness Series(平静を維持するための講座)を目にします。これは、学校が学生の健康を気遣って提供してくださっているプログラムです。具体的には、バランスを保つためのアドバイス、頭と体を一体化させるためのアドバイス、ストレス管理のためのアドバイス、平静を保つためのストレッチ講座のように分類されています。四つとも受講することが可能ならそれに越したことはありません。しかし、授業や個々別々の理由などで本校の学生は多忙です。ですので、一つの講座だけ受講しても最大の利益を得られるように工夫されています。(特に春学期は秋学期に比べて大変ということもあり、この講座は春学期に行われています。)

そのほかにも、本学のウェブサイトには学生がどのように心や体の健康管理をするべきかのガイドラインが書いてあります。忙しい大学院生にとって欠かせないのはなんといっても運動です。ウェブサイトによりますと運動にはいくつかの利点があります。

1)気分の向上
2)体重管理
3)エネルギーレベルの増加
4)睡眠の質の向上
5)運動の楽しさ

等があります。確かに、気分も良くなく睡眠も充分に取れていなければ体や脳はフルに働きません。体重も増加しエネルギーも低下します。効率よく勉強するには毎日適度な運動が不可欠です。ここモントレーは自然環境に恵まれているので、軽いウォーキングやランニング、サイクリングやその他屋外の運動に最適です。もちろん、ジムやその他様々なダンスやエクササイズの選択肢も数多くあります。

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

次に重要なのは栄養です。近年、忙しい学生や社会人は朝食を食べない傾向が見られるようになってきています。しかし、朝食を食べなければ脳は目覚めません。食物繊維やカルシウムも不足しがちです。バランスのいい食生活を維持することは体重・健康管理、効率的な勉強にもつながりますし、バランスの取れたメニューを考えて料理をするのも息抜きの一種になります。さらに、よく忘れがちなのは水を飲むことです。食べるのと同じくらい,水を摂取することは大切です。健康を気遣いながら体の訴えることに敏感になることでストレスも減り、もう少しゆとりのある毎日が過ごせるのではないのでしょうか。不眠や睡眠不足などの解消法や、8時間の睡眠をとることの重要性なども同サイトに載っています。日頃の生活に生かしてみてはいかがでしょうか。

モントレーには世界的にも有名な水族館、モントレー美術館、カーメル・ミッション、歴史街道、その他様々な身近で簡単なレクリエーションにあふれています。ショッピングもアートからファッションまで様々です。サンフランシスコや和食材が購入できるサンノゼもそれほど遠くありません。少しの時間の管理や運動、ストレス解消を日々の生活に取り入れることでパターン化しつつある毎日も有意義なものに変化します。時間がないと決めつけず、一度試してみることをお勧めします。

サンディエゴのデルマール海岸

サンディエゴのデルマール海岸

春休みということもあり、私は今まで訪れたことのない、南部・ルイジアナ州に足を運びました。新しいところには発見が沢山あります。同じアメリカでも食生活、言葉遣い、文化が大きく異なり、教室では学べないことがたくさんありました。さらには同じカリフォルニア州南部のサンディエゴ郊外、デルマールにも行きました。同じ州でも北部、南部とで景色にも雰囲気にも違いが見られます。本学で学んでいる間、機会があれば国内の多様な文化や生活様式が体験できますので、勇気を出して遊びに行くのをお勧めします。

では、残りの数週間の学校生活を有意義で健康に良いものにできるように頑張りましょう!

2013年 キャリアフェア

2013年3月8日にモントレー国際大学院でキャリアフェアが行なわれました。大学院の近くにあるポルトラホテルの会議場で開かれ、100社の企業・国際機関等が参加しました。CIAからeBay、多くの翻訳会社などがブースを設置し、お話を伺う機会が与えられました。キャリアフェアの2週間ほど前から、学校でこのイベントのためのセミナーが多くあり、履歴書・面接対策セミナーなどに参加することができます。セミナーでは、就職アドバイザーからどの企業に回ればいいかなどの助言を得たり、他の生徒と面接の練習をしたりと内容は様々です。

career fair 2キャリアフェア当日は、スーツ姿の生徒が履歴書を片手にぞろぞろとホテルに向かいます。アメリカは日本と比べると堅苦しくない部分が多いとは言え、日本語翻訳・通訳科の生徒の場合、アメリカに拠点のある日本企業の人と会うことが多いので、日本式の就職活動にも似ているところはあります。

1年生は、インターンシップに申し込む時期なので、キャリアフェアの週に開かれる企業のプレゼンテーションに参加します。キャリアフェア当日は、自分の決めた企業のブースを回り、履歴書・名刺を渡して自己紹介し、仕事内容などの説明を受け、質問などをします。その場で企業側が翌日に面接をしたいと希望することもあります。2年生も同じようなことをするのですが、インターンシップよりも主に卒業後の就職活動をする機会として活用します。

career fair 3日本語翻訳・通訳科のインターンシップ・就職先は翻訳会社を除くとそこまで多くはないのですが、今回は、5つの企業が積極的に日本語プログラムの生徒をリクルートしていました。特許や自動車からゴルフまでと仕事内容も様々ですし、インターシップの場合は、夏休み中に翻訳か通訳、どちらを集中してやりたいのかを決めなくてはいけません。

また、キャリアフェアにおいて重要なのが、下調べです。どの企業がどのような生徒を採用したいのかを調べ、それが自分、そして自分のやりたいことと一致しているのかを見極めるのは、非常に大切です。様々な企業が参加するため、キャリアフェアはモントレー国際大学院が企画する極めて有意義なイベントの一つです。

モントレーで学ぶ国際経営学

皆さんはじめまして。国際経営学(MBA)専攻1年の玉井と申します。よろしくお願いします。

MIISのMBAに日本人又は日本語話者は少なく各学年に1~2人程なのですが、毎日世界中から集った学生と共に机を並べて勉強しています。国際的な考えや感覚などを磨いていく上でMIISは最適な環境だと日々感じながら過ごしています。今回は私がモントレー国際大学院に進学した経緯についてお話させていただきたいと思います。

 

私は日本で生まれ、高校までは地元の公立学校、大学では都内の私立大学に進学しました。大学では人間科学を専攻し、情報科学、環境、福祉、心理学、歴史、スポーツなど幅広く学びました。学生時代は部活動やアルバイト、サークル活動ばかりでなかなか海外で生活したことはなく、初めてパスポートを作ったのも大学の卒業旅行時です。大学卒業後、東京や福岡で某人材サービス会社の営業として3年ほど働き、その後1年間の語学留学を経てMIISに入学しました。

 

大学時代にも留学をして世界を体験してみたいという気持ちがぼんやりとありましたが、新卒として日本の企業に入社し実地で働き学べることも多いと考え、多くの業種と関わることができる広告営業という職に就きました。この間大小様々な会社の経営者や人事担当者とお仕事を一緒にさせていただき、その経験を通して多くのことを学ばせていただきました。とても充実していた生活でしたが仕事を通じ経営学を勉強してみたい、との思いから留学することを決めました。その決断に至ったきっかけは大きく3つ、体系的にビジネスについて学びなおしてみたい、将来的には日本の存在感を高めるような仕事をしてみたい、英語の能力を向上させたい、との思いからです。

 

MIISを選んだ最も大きな理由としては、その国際性の豊かさです。MIISには留学生や海外での留学・職務経験のあるアメリカ人学生の割合が多く、教室には様々なバックグラウンドを持った学生がいます。学生はほぼ全員が二ヶ国語以上の言語を話し(中には4,5ヶ国語以上も)教授陣や同級生たちもアジア、南米、アフリカ、欧州など英語圏以外から来た世界中の学生と交流することに慣れているためか、キャンパス内外問わず非常にフレンドリーです。20代半ばまで日本国内で生活してきた私にとって、入学式でこの学校に足を踏み入れた時から新鮮な毎日で半年経った今でも新しいことに出会う毎日です。正直にお話をすると、言わずもがなですが授業は全て英語で行われるので、私のように日本国内で生まれ育ってきた人間にとっては苦労することもままありますが、これも自分の糧になるいい経験だと思い毎日過ごしています。

 

次回は、MIISでの国際経営学(MBA)の授業の具体的な様子や私自身その中から感じることをお伝え出来ればと思います。

 Monterey Beach

プログラムとはあまり関係ないですが、モントレーはビーチも街のすぐそばにありとてもコンパクトで過ごしやすい街です。私はよく気分転換にビーチをランニングしたり、日曜日にはMIISのサッカー部員としてモントレーエリアのリーグ戦に参戦しています。このブログをご覧の皆さまも、ぜひ一度モントレーという街にお越しくださいね。

MIISで環境政策を学ぶに至るまで

皆さま

はじめまして。今回初めて投稿させて頂く、国際環境政策専攻2年生の藤木と申します。

MIISには、通訳翻訳プログラム(日本語専攻)以外にも、日本人学生が少なからず在籍します。とは言え、私の学ぶ国際環境政策プログラムには2013年春学期現在で、約40人中1人です。プログラム全体における留学生の比率及び出身地は、毎年変動するので一概には言えませんが、私の知る限り過去3年間で、日本人留学生は毎年1〜2人です。

今回は、私がMIISで国際環境政策を学ぶに至るまでの簡単な経緯をご紹介します。私は日本生まれの日本育ちです。小中高と日本の公立校に通い、大学では化学を専攻しました。大学卒業後は某自動車用品メーカーの海外営業部で働いていましたが、4年程勤務した後、退職して大学院で環境政策を学ぶことに決めました。

学生の頃から環境保全活動に興味があり、新卒での就職活動時には、環境NGOで働いてみたいとも思っていました。しかし、2000年代前半当時の日本社会にはまだ圧倒的に「環境保護=ボランティア=お金のある人が善意ですること」という固定概念が通っており、また、数少ない日本での環境NGOも新卒採用はしておらず、仕事として環境問題に関わることはなかなか難しいのが現実でした。

結果的に某メーカーに就職して働き始めたのは、「気候変動」という言葉が市民にも定着し、環境に対する企業責任という考え方が日本でも取り入れられ始めていた頃でした。「環境に優しい」を謳い文句にした商品が自社他社問わず次々に売り出され始め、「環境に優しい」とはどういうことなのか、私はよく考えるようになりました。仮に商品単体が「環境に優しい」としても、事業全体が「環境に優し」くなければ、それは単なる利益追求手段の一つで、グリーンウォッシングと呼ばれても否定できないのではないか。

そんな疑問が募り、環境問題に関わる仕事へのキャリアチェンジを目標に、大学院で専門知識を学ぶことにしました。毎日深夜まで仕事に追われる中、どうせ起きている時間の大半を費やすくらい仕事に情熱を傾けるのなら、より自分が興味のある仕事をしたいと考えたことも、決断を後押ししました。

環境政策分野に関しては、日本よりもアメリカの方が、大学院のカリキュラムも実際の政策も進んでいると分かり、アメリカに留学することにしました。MIISを選んだ理由の一つは、カリキュラムが環境政策のバックグラウンドを持っていなくても基礎から学べるように組まれていること、また、理系と文系の両科目が含まれていることでした。また、モントレーは、多くの環境NGOが本部を置くサンフランシスコに近いこと。モントレー沿岸自体も海洋保護区として様々な環境政策が実施されている地であること。そして、日本にひけを取らない安全な治安状態と雪の降らない穏やかな気候が決め手となりました。

次回は、国際環境政策プログラムの具体的なクラス内容とその様子、日々のスケジュール等をお届けします。

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モントレーには日本よりも一足先に春が訪れています。

東京裁判に関する講演の逐次通訳

先週の予告通り、今回のブログは講演の逐次通訳について書きたいと思います。

2月22日、武田珂代子先生による東京裁判に関する講演の逐次通訳を同級生と担当させていただきました。内容は武田先生のご著書『東京裁判における通訳』に沿ったもので、中でも通訳の三層構造にフォーカスが当てられました。ご著書自体が非常に面白かったので、内容を楽しみながら準備をすることができました。東京裁判では、日本人、日系人、白人といった異なるグループの人々が、通訳、通訳を監視するモニター、言語の専門家全体を統括する言語裁定官として、通訳作業をそれぞれ担当していました。これには社会的、文化的背景が絡んでおり、敗戦国の日本人に頼ることを避けるため、アメリカ国民の白人が、たとえ日本語がおぼつかなくても言語裁定官として居なくてはならなかったといった点など、非常に興味深い話が書かれていますので、通訳を目指している方や、東京裁判についてご興味のある方は、ぜひ武田先生のご著書をお読みください。

今回は事前にパワーポイント資料をいただくこともでき、十分に準備することができたので、当日はそれなりにスムーズに通訳をさせていただくことができました。いただいたフィードバックは好意的で、大変嬉しく思いましたが、一年生なので少し手加減していただいたのかなと思います。それでも、個人的にはとりあえず出来るだけのことはしたと手応えを感じています。ご著書も何度も日本語と英語で読みましたし、東京裁判に関する動画などを見たりもしました。パワーポイント資料のサイトラも何回かして、自分だけでもプレゼンできるようにしました。やってみてわかったことは、他の授業の予習や復習ももっとやれることがあるはずだという点です。ただ、健康などを害してしまうと元も子もないので、程よいバランスを見出していきたいです。

今日は先生方並びに先輩方がいらっしゃっていたため、通訳を判断していただくという点では、素晴らしいオーディエンスの方々に恵まれました。一応大学時代も人前で通訳する機会はあったので、緊張しすぎることはなかったのですが、人に伝えるという意識をしっかり持つ余裕がもう少しあればよかったなと思います。観客を見るということや、落ち着いてフィラーなどをなくすということに意識を向けることができたらと思います。しかし、普段小さなクラスで通訳をするのと比べ、より大きなオーディエンスに向けて話す場合は視線のあり方や声の張り方などが違うということを改めて実感できたのは良かったです。クラス内の仲間内で練習するだけですと、何のために通訳をするのかという意識がでてこないので、こういう機会があるというのは素晴らしいことだと思います。

今回の企画を可能にしてくださった武田先生ならびにMIISの先生方、先輩方、同級生に改めて感謝の意を述べたいと思います。みなさま、本当にありがとうございました。

Shinblog1

ちなみに、講演の当日、MIISの図書館で行われているブックセールが全品無料になりました。通訳者、翻訳者の勉強は永遠に終わりません。これだけ本が手に入ると嬉しいですね。

一年生の逐次通訳実践〜武田珂代子先生による講演会を控えて

春まだ浅いこのごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、前回は二学期についての記事でしたが、今回は来週予定されている武田珂代子先生の講演会について書きたいと思います。

まずは、武田先生の簡単なご紹介です。武田先生は現在、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授としてご活躍されています。先生のご専門は、通訳翻訳研究で、ご自身は本学の通訳・翻訳学科を卒業されています。1994年から本学で教鞭をとられ、その間、本学教員でもいらっしゃるアンソニー・ピム教授の下、スペインのロビラ・イ・ビリジリ大学で博士号を習得されました。

写真さて、このたびのご講演は、武田先生の博士論文のテーマでもありました「東京裁判における通訳」についてです。今回はなんと私たち一年生に通訳の機会が巡ってきました。一年生がこのような講演の逐次通訳を本学で行うのは初めてのことです。これまで二回ほど二年生の先輩方の逐次通訳を見る機会がありました。その二年生の前や先生方の前で通訳に挑戦するのは、いくら私たちが将来プロを目指しているといえども、かなりの緊張を強いられるものです。

来週に向け、通訳担当者の私たちは様々な準備をしています。例えば、武田先生についてのリサーチは言うまでもありません。先生についてのご紹介などのとき、知識不足で正確な訳ができなくては話になりません。次に,英語と日本語で先生の著書を読むことも必須です。これは、先生が使われる東京裁判関連の用語を両言語で把握しておくためです。これらの単語をまとめた用語集も作成します。さらに、インターネットなどで調べられる範囲で東京裁判や通訳、そのほか関連性のある内容にも一通り目をとおしておきます。

先生のご講演は来週の金曜日です。ですので、次回のブログはもう一人の通訳を担当する一年生の事後発表になるかと思います。私たちはまだ経験の浅い一年生ではありますが、またとない機会をいただいた以上、恥をかかないよう頑張りたいと思います。

では、次回をお楽しみに…