Monthly Archives: October 2015

卒業生インタビュー【デュボワ都さん】

今日は、2011年にMIISを卒業後、日本で翻訳者としてご活躍されているデュボワ都さんにお話を伺いました。

―今回はお時間をいただき、ありがとうございます。まず、MIIS入学に至るまでの経緯を教えていただけますか。

米国の大学を卒業後、OPT制度を利用してサンフランシスコの語学学校で働いていましたが、将来就労ビザを取得するためにはもっと専門性の高い仕事に就く必要があると気づき、大学院進学を考え始めました。ベイエリア周辺の大学院のプログラムを調べていたところ、MIISのウェブサイトでオープンキャンパスがあることを知り、当時住んでいたイーストベイからバスを乗り継いで見学に行きました。翻訳の経験がなくても基礎から学べること、現役の翻訳者の授業を受けられることに魅力を感じ、すぐに出願の準備を始めました。

―卒業後は、主にどういった分野の翻訳のお仕事をしていらっしゃいますか。

最初の仕事は、カリフォルニアにある特許事務所での社内翻訳者兼コーディネーターでした。その後、帰国が決まったのをきっかけにフリーランスに転向しました。

内容としては、一番多いのが特許関連の文書の日英翻訳です。その他にプレゼン資料や広告など、ビジネスやマーケティング分野を扱うこともあります。miis_campus_security

―いまのお仕事で、MIIS で学んだことがどう役立っているか、お聞かせください。

何よりも、特許、技術、医薬、リーガルなど幅広い分野の翻訳を学べたことが役に立ちました。大学までいわゆる文系で、理系の文章に触れる機会は少なかったのですが、課題をこなしていくうちにそれまでの苦手分野への抵抗が少なくなってきたように感じます。

MIISでできるネットワークも、この学校の大きな強みだと思います。卒業後、先生方やクラスメート、キャリアセンターのアドバイザーを通して仕事の打診が来ることも珍しくありません。私は選択科目でローカリゼーションやビジネスのクラスを取っていたので、日本語以外のプログラム専攻の学生と知り合う機会がありました。卒業後、そのうちの何人かが多言語プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)になり、和訳を担当しないかと声をかけてくれたこともありました。

―学生時代は、どんなことに力を入れて過ごされていましたか。

1学期目はTLM(翻訳ローカリゼーション管理)のコースでしたが、翻訳をもっと学びたいと思い、次の学期からは翻訳のみのコースに移り、日英・英日翻訳のクラスはすべて取りました。日英の授業は私だけ非英語ネイティブということもありましたが、その分とても鍛えられました。

―学生生活のなかで、一番思い出に残っていることは何ですか。

why_monterey_instituteひとつだけ選ぶのは難しいのですが、クラスメートに恵まれたことでしょうか。毎日のように、カフェテリアで一緒に勉強していたのを覚えています。サイトトランスレーションや翻訳の授業では、お互いの翻訳やパフォーマンスを評価することが多く、自分が発表するときには不安になることも多かったのですが、お互いを尊重しあう、温かい雰囲気のクラスだったので救われました。

―MIIS に入学を希望されている方たちに、特にアドバイスがあればお願いします。

これは私が入学したときにある先輩からもらったアドバイスなのですが、分野を限定せず、英語と日本語の両方でたくさん読むこと。

また機会があればキャンパスの見学や、入学希望者向けのイベントに参加してみるのもいいと思います。特に後者は日本でも開催されるので、留学を迷っている方は気軽に参加してみてください。

卒業生インタビュー【マッケルビー麻衣子さん】

今日は、2009年にMIISを卒業後、日本で通訳・翻訳者としてご活躍されているマッケルビー麻衣子さんにお話を伺いました。

―今日はお忙しいなか、ありがとうございます。まず、マッケルビーさんが MIIS に留学を決めた理由を教えていただけますか。

帰国子女で英語が得意だったこともあり、中高生の頃から通訳者という職業もひとつの選択肢として視野に入れていました。大学では、通訳の授業を受け、簡単な通訳の仕事を経験したことで、通訳者になりたいという気持ちが固まっていきました。

働きながら日本の通訳学校に通うことも検討しましたが、通訳の訓練に集中したかったこと、国際的な感覚をもっと身につけたかったこと、そしてプライベートな理由として、当時付き合っていた、現在の夫の近くに住みたかったことなどもあり、MIISへの留学を決意しました。

―卒業後は、主にどのようなお仕事をされていらっしゃいますか。

卒業してすぐに、栃木県にある本田技術研究所四輪R&Dセンターで、社内通訳翻訳者として働き始めました。当初は購買部門に配属されていましたが、1年後に希望が叶って、研究開発部門の通訳チームに移りました。どちらにおいても、多くの経験を積ませていただき、プロの通訳者としての自信をつけることができました。

そのさらに1年後には、東京に拠点を移し、フリーランスとして独立しました。依頼される内容はITと製造が多いですが、他分野の仕事も依頼されれば、積極的に受けています。また、昨年夏に出産して、いまは育児とのバランスを計りながら仕事をしています。受けられる仕事の量が減った分、ひとつひとつの仕事に、丁寧に取り組むように努めています。

―MIIS で学んだことが、いまお仕事にどう活かされているか、お聞かせください。

winter_graduation_1MIISで叩き込まれた通訳の基礎は、仕事で日々活きています。例えば、通訳においては、言葉だけではなく、メッセージも追うこと。聞き取りやすさも意識すること。逐次通訳における記憶とノートテイキングのバランス。同時通訳におけるさまざまな戦略。先生だけでなく、勉強の仕方や通訳・翻訳における戦略などは、クラスメートからも学ぶところが多かったです。

また少し質問から外れますが、MIISの先生や同窓生の方々には、いまでも仕事でお世話になることが多いです。在学時の先生やクラスメート、1年上の先輩や1年下の後輩はもちろん、在学期間が重なっていない方でも、同じ学校の出身者ということで親しくしていただいています。こうしたMIISを通してのご縁も、仕事で活きています。

―学生時代は、どんなことに力を入れて過ごされていましたか。

MIISに行くことはわたしにとって大きな投資だったので、それに見合うだけの何かを得なければならないと、とにかく実践的なスキルの取得に打ち込みました。ひとつひとつの授業に対して、時間の許すかぎり予習をして、授業の中ではなるべく発言するようにしていました。

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学校主催のスキー旅行でレイクタホへ

また、クラスメートとスタディーグループを組んで、カフェテリアのSamson Centerや空き教室で、毎日のように練習していました。みんなとても意欲的で、互いに助け合う風潮があり、本当に恵まれていたと感じています。

―MIIS の学生生活のなかで、一番思い出に残っていることは何ですか。

スタディーグループで何時間も一緒に勉強していたこと、そして勉強の合間には、友達と美味しいものを食べながら息抜きをしていたことが記憶に残っています。特に近くの中華料理店、Full Moonにはよく行っていました。日本語ができる女性がいて、行くたびに癒されていました。また1学期に数回は、少し奮発してMonterey Fish Houseにも行っていました。シーフードが美味しいお店なので、入学される方もされない方もぜひ行ってみてください(笑)

―MIIS に入学を希望されている方たちに、特にアドバイスがあればお願いします。

MIISの授業は、受け身だと得られるものは限られます。授業に対して、積極的に予習し、参加してこそ、身につくものが多いです。またクラスメートからも学べることは多いので、スタディーグループを作って互いに高め合えると、とても有意義な学生生活が過ごせると思います。