今日は、2009年にMIISを卒業後、日本で通訳・翻訳者としてご活躍されているマッケルビー麻衣子さんにお話を伺いました。
―今日はお忙しいなか、ありがとうございます。まず、マッケルビーさんが MIIS に留学を決めた理由を教えていただけますか。
帰国子女で英語が得意だったこともあり、中高生の頃から通訳者という職業もひとつの選択肢として視野に入れていました。大学では、通訳の授業を受け、簡単な通訳の仕事を経験したことで、通訳者になりたいという気持ちが固まっていきました。
働きながら日本の通訳学校に通うことも検討しましたが、通訳の訓練に集中したかったこと、国際的な感覚をもっと身につけたかったこと、そしてプライベートな理由として、当時付き合っていた、現在の夫の近くに住みたかったことなどもあり、MIISへの留学を決意しました。
―卒業後は、主にどのようなお仕事をされていらっしゃいますか。
卒業してすぐに、栃木県にある本田技術研究所四輪R&Dセンターで、社内通訳翻訳者として働き始めました。当初は購買部門に配属されていましたが、1年後に希望が叶って、研究開発部門の通訳チームに移りました。どちらにおいても、多くの経験を積ませていただき、プロの通訳者としての自信をつけることができました。
そのさらに1年後には、東京に拠点を移し、フリーランスとして独立しました。依頼される内容はITと製造が多いですが、他分野の仕事も依頼されれば、積極的に受けています。また、昨年夏に出産して、いまは育児とのバランスを計りながら仕事をしています。受けられる仕事の量が減った分、ひとつひとつの仕事に、丁寧に取り組むように努めています。
―MIIS で学んだことが、いまお仕事にどう活かされているか、お聞かせください。
MIISで叩き込まれた通訳の基礎は、仕事で日々活きています。例えば、通訳においては、言葉だけではなく、メッセージも追うこと。聞き取りやすさも意識すること。逐次通訳における記憶とノートテイキングのバランス。同時通訳におけるさまざまな戦略。先生だけでなく、勉強の仕方や通訳・翻訳における戦略などは、クラスメートからも学ぶところが多かったです。
また少し質問から外れますが、MIISの先生や同窓生の方々には、いまでも仕事でお世話になることが多いです。在学時の先生やクラスメート、1年上の先輩や1年下の後輩はもちろん、在学期間が重なっていない方でも、同じ学校の出身者ということで親しくしていただいています。こうしたMIISを通してのご縁も、仕事で活きています。
―学生時代は、どんなことに力を入れて過ごされていましたか。
MIISに行くことはわたしにとって大きな投資だったので、それに見合うだけの何かを得なければならないと、とにかく実践的なスキルの取得に打ち込みました。ひとつひとつの授業に対して、時間の許すかぎり予習をして、授業の中ではなるべく発言するようにしていました。
また、クラスメートとスタディーグループを組んで、カフェテリアのSamson Centerや空き教室で、毎日のように練習していました。みんなとても意欲的で、互いに助け合う風潮があり、本当に恵まれていたと感じています。
―MIIS の学生生活のなかで、一番思い出に残っていることは何ですか。
スタディーグループで何時間も一緒に勉強していたこと、そして勉強の合間には、友達と美味しいものを食べながら息抜きをしていたことが記憶に残っています。特に近くの中華料理店、Full Moonにはよく行っていました。日本語ができる女性がいて、行くたびに癒されていました。また1学期に数回は、少し奮発してMonterey Fish Houseにも行っていました。シーフードが美味しいお店なので、入学される方もされない方もぜひ行ってみてください(笑)
―MIIS に入学を希望されている方たちに、特にアドバイスがあればお願いします。
MIISの授業は、受け身だと得られるものは限られます。授業に対して、積極的に予習し、参加してこそ、身につくものが多いです。またクラスメートからも学べることは多いので、スタディーグループを作って互いに高め合えると、とても有意義な学生生活が過ごせると思います。