Category Archives: 学生生活について

MIISで日本語TLMを学び始めた理由【クリス・フォンタスさん】

皆さん、こんにちは。TLM学部一年生のクリス・フォンタスです。ニューヨーク出身ですが、ここ約10年間サンフランシスコ・ベイアリアで、ソフトウェア開発者として働いています。

日本語に関心を持ち始めたのは高校生の時でした。当時は学校でドイツ語の授業を取っていましたが、それをきっかけに言語学習に対して興味が沸き、ドイツ語以外の言語も話せるようになりたいと思いました。日本語は響きも格好いいし、表記体系も魅力的だし、勉強すれば楽しいだろうと思いました(ゲームなども日本語で楽しめるようになれて好都合でした)。

あいにく通っていた高校には日本語の授業がなかったため、近くの日本語学校を調べて登録しました。それから毎週火曜日の放課後、母に日本語学校へ連れて行ってもらいました。初めのころは担当教師と1対1で授業を受けていましたが、しばらくすると、小学生向けクラスのアシスタントにならないかと聞かれて、子どもに日本語を教えるのを手伝わせていただだくことになりました。正直、高校生の時に参加していたクラブや活動の中で、一番楽しかったと言っても過言ではありません。

大学に入ってからも日本語の勉強を続けました。コンピューターサイエンスを専攻しましたが、毎学期日本語の授業を取り、京都に留学したり、夏休みに東京に本部を置く小さいソフト会社でインターンをしたりしました。卒業した今でも出張や旅行などで時々日本に戻ることがあります。

最近は、今後どのようなキャリアを築きたいのかを考えてきました。何らかの方法で日本語とソフトウェアに関する知識を活かしたいと思い、大学院のプログラムを探しました。MIIS独自のTLMプログラムは、それを達成するのに最適だと思い申し込みました。

MIISに入学してからまだ1学期しか経っていませんが、驚くほど優しく頭のいい方に多く出会いました。そんな先生方やクラスメートに支援していただいてうれしい限りです。もちろん山ほどの宿題に取り組まなくてはいけない時もありますが、全てが貴重な経験です。

これからも皆さんと新しく知り合うのを楽しみにしております。よろしくお願いいたします。

2019年春休み 東アジアにおける外交政策・通商・安全保障 東京研修(後編)

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻2年生の福谷昌子です。

今回は、前回に続いて、春休み期間中の東アジア研究の授業の一環として行われた東京への研修旅行の2日目から最終日までについてお伝えします。

前回の記事はこちらからどうぞ。

2日目(3月18日):通訳①

この日のスケジュールは次の通り。

防衛省・防衛研究所にて英語での意見交換会・質疑応答。テーマは「日本をめぐる安全保障環境」

国会議事堂見学後、元参議院議員の方との懇談会・質疑応答

経済産業省にて英語での講演・質疑応答。テーマは「多国間貿易」

私たちが通訳を担当したのは、国会での懇談会でした。各自のリサーチテーマを元に貿易や北朝鮮の核ミサイル問題などについて様々な質問が投げかけられ、その質問と答えを逐次通訳しました。中国語通訳の学生がタイムキーパーとして助けてくれる中、日本語通訳2名で15分交代で通訳を行い、通訳メンバーの中で良いチームワークを持ってスムーズに進めることができました。

国会議事堂前にて

3日目(3月19日):通訳②

都内学術機関にて個人インタビュー

政策研究大学院大学にて英語での講演・質疑応答。テーマは「日本の国家安全保障政策と課題」

外務省にて英語での講演・質疑応答

この日は、午前中に2名の学生による個人インタビューに同行して通訳をしました。インタビューのお相手は日本の移民政策に詳しい大学教授の方で、日本における外国人労働者の状況について質問がされました。ここでは、時間の節約と円滑なインタビューを目的として、インタビュアーの学生1名につき通訳1名が隣に座って日→英はウィスパリング、英→日は逐次で通訳を行いました。

4日目:移動日

学生各自、中国・北京へ移動

日本語通訳は東京に残り、そのままモントレーに戻りました。

まとめ

以上、研修旅行についての詳細をお伝えしました。

ふだんは入ることのできない政府機関を訪問して幅広い分野についてのお話を伺い、なによりそれを通訳させていただく機会をいただき、大変光栄であり貴重な経験でした。

通訳・翻訳の授業と同時並行でリーディングの課題が多い*GSIPM(国際政策管理大学院)の授業を受けるというのはMIISで過ごす2年間で初めての経験でしたが、非常に学びが多く、また他プログラムの学生と知り合うことのできるとても良い機会となりました。

個人的には、7年ぶりに日本の春を感じることができ、とても充実した春休みとなりました。

この場をお借りして、引率してくださった赤羽恒雄先生、Wei Liang先生、東アジア研究に合わせて授業教材を選んでくださった通訳科の先生方、そしてこの研修を可能にしてくださったすべての方々に感謝申し上げます。

MIISのホームページで公開されている記事もよろしければ合わせてお読みください。

https://www.middlebury.edu/institute/news/students-conduct-field-research-east-asia-during-spring-break (英語)

*GSIPM: MIISには、大学院が2つあり、TILMはGSTILE(翻訳通訳言語教育大学院)に属しています。GSTILEでは通訳、翻訳、TESOL(外国語話者を対象とする英語教育)のプログラム、GSIPMには核非拡散、環境保護、国際教育管理などのプログラムがあります。

2019年春休み 東アジアにおける外交政策・通商・安全保障 東京研修(前編)

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻2年生の福谷昌子です。

先日Facebookページでもお知らせした通り、先月の春休み期間中、東アジア研究の授業の一環として行われた東京への研修旅行に日本語プログラムの2年生が2名、通訳者として同行しました。

今回と次回のブログ記事では、その時の様子についてじっくりお話させていただきます!

東アジア研究とは

MIISでは、「東アジアにおける外交政策・通商・安全保障(Foreign Policy, Trade and Security in East Asia)」という授業がプログラムをまたいで隔年オファーされており、春休みには授業の一環として東京と北京への研修旅行があります。

学生たちは、研修旅行前に各自研究テーマを設定し、授業内外でのリサーチや現地でのリサーチ・インタビューを通してレポートの材料集めをしたのち、学期末には研究レポートを提出します。

研修では、各都市の政府機関や大学機関へ訪問し、代表の方による講演を聞かせていただいたり、各学生が研究テーマを元に質問する質疑応答の時間をいただいたりします。

今年の東京研修には、翻訳通訳科および翻訳科から、日本語プログラムの2年生が2名、通訳者として同行しました。

準備

2月に春学期が始まってから春休みまでの7週間は、他の授業と同様、週1回の授業がありました。日本語・中国語プログラムから各2名、通訳として同行することが決まっていた学生も、通訳準備の一環としてこの授業を聴講しました。

私たち翻訳通訳科の学生が普段受けている授業では、通訳者・翻訳者としての実践的なスキルを身につけるため、皆が同じ資料を読むのではなく、翻訳課題や次の授業で練習する通訳のトピックについて各自でリサーチを行い、必要なリソースを見つけ、その翻訳に必要な知識を得るために勉強したり、適切な訳を探すために用語を調べたりするのが一般的です。

それとは打って変わって、この東アジア研究の授業では、毎回授業前に読むリーディングの課題があり、授業の前半ではリーディングの内容に沿った教授の講義、後半ではその週のディスカッションリーダーを任された学生を中心にディスカッションが行われるという授業構成になっていました。

扱う分野は、「東アジアにおける外交政策・通商・安全保障」という授業名からもご想像いただける通り広範で、主に日本、中国、韓国、ロシア、アメリカ間の関係を、外交、貿易、安全保障の角度から勉強しました。

乗り継ぎ地の台湾で観光した時のようす

日程

3月16日   移動日(モントレーから東京)

17日〜19日 東京研修

20日     移動日(東京から北京)

21日〜23日 北京研修

24日     移動日(北京からモントレー)

研修には教授2名の引率のもと学生24名(うち通訳4名)が参加し、日本語通訳は東京研修のみ同行しました。ここでは東京研修に焦点を当てて紹介していきます。

1日目(3月17日):観光日

午前中に靖国神社の遊就館を見学後、午後は銀座観光。

そのあと浜離宮庭園からフェリーに乗って隅田川を渡り、浅草観光をして1日を終えました。

靖国神社

今回は、主に研修旅行の準備段階についてお話しました。

次回からは早速、通訳を行なった経験について詳しくお伝えしていこうと思います。

ぜひチェックしてみてくださいね!

新学期に向けて

冬休みが終わり、来週から春学期が始まります。今日は1年生の土居可弥 さんに、秋学期を振り返った感想を書いていただきました。

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皆さま、こんにちは。 もうすぐ春学期が始まろうとしていますが、1年生の秋学期について振り返りたいと思います。

まずは勉強面です。MIISに来る前、授業は職業訓練をイメージしていましたが、実際に1学期終えてみると、通訳と翻訳を通して教養をつけるアカデミックな部分も大きかったように感じています。それぞれのクラスであらゆるトピックが出てくるので、そのためにリサーチをし、クラスメイトとも話し合う中で、そのトピックに対して共感が強まる瞬間がありました。特に、秋学期は安全保障問題や沖縄の基地問題も大きく取り上げられていた時期です。このようなニュースについて話し合えるのは海外にいながら、日本とのつながりを感じる時間でもあり、遠く離れている分、それだけ強く感じたものがありました。通訳・翻訳を軸に、今まで知らなかったことをより身近に感じ、学べることは大きな気づきでした。

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キャンパス近くのカフェ

またクラスメイトとはもちろん、学年や学部を超えた交流があることにも感謝しています。MIISはプロフェッショナルなイメージが強かったので、職務経験が浅い私が、上手く馴染めるか不安でした。MIISに来てみると、自分のような人もいれば、様々なところでボランティアや職務経験を積んできた人が多く、どの人も気さくにいろんなお話を聞かせてくれます。特にクラスメイトは、モントレーにいる家族のような存在です。たいてい、授業で通訳の実技をする時には、誰かが「頑張って!」と声をかけてくれて、そのおかげで緊張がほぐれます。2年生の先輩も、私たち以上に忙しいのにもかかわらず、授業外で練習を一緒にしてくださったり、ブランチやホームパーティに呼んでくださったりします。一人一人のMIISに来るまでの道のりや思いを聞くと、自然と自分が一緒にこのタイミングで入学できたことをありがたく思えます。

このような恵まれた環境にいながらも、やはり新しいライフスタイルに慣れる上でのストレスもたくさんありました。身体と心の健康管理をするための息抜き探しも秋学期の大きなテーマでした。そのような中、今学期初挑戦したヨガとメディテーションは大きな支えになりました。

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海辺のアザラシ

例えば、“Mindfulness for Interpreters”というクラスで、メディテーションを実践しながら、通訳者のメンタル・ケアについて理解を深めていきました。もともと通訳と感情移入について興味があった私にとって、このクラスはぴったりでした。メディテーションはとても落ち着き、また他の言語の通訳の学生と日々のストレスについて一緒に振り返り、クラスや生活での気づきについて率直に話し合えたのは大きな励みになりました。

また、ヨガの免許を持つMIISの学生が週2回教えているヨガのクラスもリラックスできるひとときになりました。身体が温かくなり、気分が落ち着き、再び頑張る意欲も出てきました。特にメディテーションでもヨガでも「呼吸」を意識するきっかけになり、リラックスしたい時はもちろん、通訳をする前に集中したい時にも重要なのが肌身でわかりました。ヨガ、メディテーション、また他にMIISで開講されているズンバ・レッスンなど、私のような初心者でも大歓迎なので、ぜひMIISにいる間にとることをおすすめします!

あっという間に、新学期がもうじき始まります。MIISに入学してからはもちろん、入学するまで様々な面で支えてくださり、背中を押してくださった皆様に心より感謝しています。その感謝を忘れずに、今後も精一杯努力しながら、学生生活を充実させていきたいと思います。