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TESOLプログラム インタビュー

みなさん、こんにちは。国際経営学 (MBA) 2年の玉井です。

最近のモントレーは最低気温も零度近くになることもあり、一般的に温暖なカリフォルニアですが朝晩は寒さを感じるようになってきました。また今週は今学期最終週のため、図書館や食堂などでも学生がレポートや試験勉強に追われている姿を多く見かけます。そんな大学院生には少し忙しいファイナルウィークですが、今回は英語教授法 (TESOL) 学科の中村愛子さんに時間を取っていただき、プログラムについてのお話を伺ってきました。

―本日はお忙しいところありがとうございます。早速ですが、中村さんが MIIS を選ばれたポイントはなんでしょう?

一番は MIIS の多様な国際性に惹かれました。多くの学校をリサーチしたのですが、語学系の学校として有名な点や私自身スペイン語話者ということもあり、MIIS が環境的にも一番自分に合っていると感じました。小さいキャンパスで勉強できる点やモントレーの歴史や環境なども気に入っています。

中村さん(真ん中)とクラスメイト

中村さん(真ん中)とクラスメイト

―MIIS の TESOL プログラムの特徴は?

クラスのサイズが小さいことです。TESOL のクラスは多くても20人、少なくて4、5人のクラスもあります。先生との距離も近く、教授陣には著名な方も多くいらっしゃいます。Dr. Kathleen Bailey のような、英語教授法を勉強される方であれば一度は必ず名前を聞く先生から直接学ぶことができることも魅力の一つですね。

―実際に入学されて、特に役に立ったと感じるクラスはありますか?

現在履修している Applied linguistic Research と Second Language Acquisition の2つがとても役に立っています。Applied linguistic research とはアンケートや授業観察など多岐に渡るリサーチ手法を学ぶ実践的なクラスです。TESOL の世界では英語指導者は優れたリサーチャーであるべき、と言われています。どのような指導法が最適かということは生徒や環境によっても異なるため、常によりよい指導法を追い求めていくことに欠かせないからです。Research やResearch Paper のスキルを身につけて、研究結果を出版し、世界の英語指導者に調査結果を伝えていくことも語学教師にとって非常に重要な役割のひとつです。

Second Language Acquisition は第2言語習得のセオリーを学ぶクラスです。今までの著名なリサーチャーの研究を学び、今後の英語指導のベースとなる多くの英語教授の知識を身につけることができます。

TESOLクラスの授業の様子

セメスター最終日にて、スナックと飲み物を楽しみながらの授業の様子。(いつもはもう少しまじめだそうです)

―中村さんは Administration Office でも働かれていらっしゃるそうですね。MIIS への出願を検討中の方達へコメントやアドバイスをお願いします。

少し具体的になりますが、MIIS の TESOL プログラムには GPA は最低でも3.0以上、TOEFL も100点以上(各セクション25点以上)なければなりません。入学後に授業についていくために必要なためです。Personal Statement ではなぜ MIIS の TESOL で学ぶに値するかをポイントに書くといいと思います。TESOL の場合は今までの経験とこれからプログラムで学ぶことが、将来やりたいことにどうリンクしているかを具体的に述べると説得力のあるものになります。

入学後も、修士をとるためにではなく、自分自身のために勉強していく意識を持つといいと思います。MIIS の TESOL は莫大な課題の量で有名で、精神的に厳しい場面も多くありますが、英語指導者として社会に出た際にどう在りたいのかを考え、貪欲に授業の枠を超えた勉学に打ち込めると良いと思います。

―本日はありがとうございました。

こちらこそありがとうございます。皆さんの参考になれば幸いです。

学会発表 (TESOL & CATESOL)

今回は、最近参加した2つの学会について報告します。

3月17日〜19日、 TESOLのthe 45th Annual Conventionがルイジアナ州ニューオーリンズで開催されました。 TESOL (Teachers of English to Speakers of Other Languages )は全世界規模の教育者団体で、世界各国の教員、教育関係者、大学院生など約5000が参加する大規模な学会となりました。私はElectronic Villageというテクノロジーを使って言語学習を促進/サポートするプレゼンテーションをさせていただき、MIISで開講されているComputer-Assisted Language Learning (CALL)のクラスで制作したホームページ(Google site)を紹介しました。プロジェクトを簡単に説明すると、テクノロジーを使用してどのように先生と生徒がクラスで扱う教材を整理整頓し、また、先生はクラスの進行状況とクラスを管理するかというもので、膨大なプリントや提出物を管理するのが困難だと感じている教員・生徒を対象に発表しました。

また、4月7日〜10日までカリフォルニア州ロングビーチではCATESOL (California Teachers of English to Speakers of Other Languages)の the 42nd Annual Conferenceが開催されました。私は、先学期に履修したApplied Linguistics Researchで提出した小論文(“Students’ Motivation and L1 Use in an ESL classroom “)を発表しました。CATESOLの学会発表はTESOLと比べると、「理論」よりも「実践的」なアイデアを皆で共有し合う場所という雰囲気でした。

今回のCATESOLで私が一番「役に立つ」と思ったプレゼンテーションは「アメリカでの就職活動の仕方」についてのディスカッションでした。アメリカの大学で学ぶ留学生として、アルバイトや長期の仕事を得るのはとても難しく、また、日本とは願書の書類や提出方法などが異なるため、様々な学校からの教師を迎え、求職活動でやりがちな失敗や間違えなど、現場の生の声を聞けたのはとても貴重な体験となりました。

最後に、大学院生としてTESOLやCATESOLなどの教育社団体に加入したり、学会への参加、学会での発表はとても大切だという事をここで強調しておきたいと思います。上記の就職に関するプレゼンテーションでも何度も念を押して教師陣やリクルーターから説明されましたが、このような団体への関与は教師として(または教師になる為に)自分を磨いているというアピールになります。つまり、学会に参加するという事は他の現場で働いている教師がどのようなアイデアを利用しているかなどを知る情報収集の場になります。そして、学会発表をする場合、その準備の段階で専攻研究の中でその分野での最新の論文から情報収集をするので知識を深めたり、自分の発表に集まった聴衆からフィードバックを得る事ができます。

実際、学生の立場で学会への加入、カンファレンスへの参加(発表)にはお金がかかるので、やりくりは大変ですが、学生の場合TESOLもCATESOLも学割が適用されます(*以下参照)。また、学校としてもMIISは学会参加(発表)の際にはFinancialサポート(上限あり)があるので、社会人として加入/参加するよりも低額でまかなうことができます。また、学会が開催される際には大抵の場合ボランティアを募集し、一定時間任務に従事すると学会への参加費が免除されます。機会がある方は是非学会に参加してみてはいかがでしょうか?英語教師への夢へ一歩近づけるかもしれません。

*TESOL年会費($32/Full-time student), TESOL 2011 Convention Registration Fee ($140/ Early admission)

*CATESOL年会費($35/Full-time student), CATESOL Conference Admission ($120/ Early admission & Student status, $105/ Presenter)

CATESOL学会

11月13日、モントレー国際大学のキャンパスにてCATESOL (The California Teachers of English to Speakers of Other Languages)北部地域学会が開催されました。

メインとなるゲストスピーカーとして、Diane Larsen-Freemanをお迎えし、500人以上の参加者が集いました。53グループのプレゼンテーションのなかで、モントレー国際大学の教授・講師・生徒合わせて11グループが論文や実践的な教授方法を発表し、その他にも3人がポスターセッションで発表しました。

私にとって学会に参加するのは初めての経験だったので、とても緊張しましたが、CATESOLの方々はとてもあたたかく、弁士もリラックスした様子で発表していました。また、参加者の約半分はカリフォルニアにある大学院の生徒達で、The University of California Davis Campus, San Francisco State University,の生徒が目立ちました。

正直、学会は教授経験の豊富でとても有名な学者のための発表の場だと思っていましたが、CATESOLはもっと「実践的」で「クラスの中で役に立つアクティビティーを共有する」場で、会場の中でも弁士と聴衆の意見交換、質問が飛び交っていて、弁士が一方的に話すのではなく双方向の「対話」の様でした。また、役立つアクティビティーを紹介された後、実際参加者が生徒の目線に立ってアクティビティーを経験し、皆で振り返りをする場面も見受けられました。

最後に、この学会に参加し、大学院の授業で勉強した「第2言語習得理論」の第一人者であるLarsen-Freeman博士の話から、カリフォルニアで教鞭をとっている他の教授、また、大学院で修士課程を目指している生徒まで、様々な人から「英語教育」についての良いアイデアをもらうことができました。CATESOLは教授経験の少ない私たちのような大学院生に対して、大きな門戸を開いているとてもすばらしい組織だと思います。モントレー国際大学でTESOL/TFLを専攻する生徒は是非、CATESOLで学会発表することをおすすめします!

モントレー国際大学でもこの学会に関する記事を紹介しています(英語)

教育実習(TESOL インターンシップ#3)

8月2日から4週間、日本からモントレー国際大学の夏期短期語学(英語)プログラムに来ていた大学生に英語を教えました。

TESOLプログラムでは教育実習が卒業の為の必修単位となっており、学習した理論を実践できるとてもいいチャンスです。

私の場合は、Introduction to U.S. Culture(週3回、1日2時間)とCommunity Exploration(週2回、1日2時間)という2つのクラスを担当させていただきました(計 週5回、週合計10時間)。

Intro to U.S. Culture

このクラスはアメリカ文化を勉強するクラスで、食文化、アメリカの祭日、趣味・休日の過ごし方、ポップカルチャーについて幅広く生徒が学習出来るようにレッスンが組まれています。生徒はホストファミリーと生活しているので、彼らを主な情報源としてインタビューをするなど、クラスで英語を学び、放課後に学習内容を日常生活で使えるように工夫しました。また、このプログラムでは教科書を使用しないため、実際のアメリカ生活で使われている物(新聞記事、広告チラシ、最新のインターネット情報)を準備し、オンラインで入手出来るビデオなども利用し、限りなく現場で使われている英語に近い物を生徒に提供する工夫もしました。

Community Exploration

この授業ではモントレー近郊にある歴史的建造物、美術館、博物館、観光名所について学習し、実際現地を見学する授業です。生徒にとってはクラスの外で使われている英語を肌で感じる良い機会であり、教師にとっては言語の4スキル(reading, listening, speaking, writing)を効果的に取り入れられるいい機会となります。

教育実習までに履修したCurriculum Designで得た知識を使ってのシラバスとレッスンプランの作成から始まり、生徒の反応を見ながらCALL (Computer-Assisted Language Learning)で学習したテクノロジーの活用など、日本の大学で勉強した「教師になる為の勉強」の一歩先を行く貴重な経験となりました。

実際の教育実習のクラスは秋学期に履修しますが、この教授経験は卒業制作(Portfolio)に向けての第一歩となりました。私のように、大学を卒業してすぐに大学院に進学する生徒にとってモントレー国際大学は教授経験を積む為のチャンスがあらゆる所で提供されているので、将来に向けての準備期間としては最高の環境だと思います。

インターンシップ (TESOL #2)

先日、インターンシップの2つ目が終了したので報告させていただきます。

今回の仕事はモントレー国際大学にあるCustom Language Serviceによって運営された、アメリカ空軍の為の4週間集中言語プログラム (LEAP: Language Enabled Airman Program)のTAをするというものでした。

空軍から派遣された9人の生徒は1日4時間の授業と1日20分の1対1の個人指導をTAとします。生徒の日本語習熟度には大きな差があるため、個人指導では生徒に見合った学習援助をするのが主な目的でした。

仕事内容の例としては、生徒が宿題で書いてきたジャーナルの文法チェック、会話練習、NHKラジオの聞き取り練習、新聞記事の内容理解、プレゼンテーション準備などです。

現在、モントレー国際大学の夏期語学研修に来ている日本人大学生と課外活動を通して会話をしたり、会話の場を設けたりするなどで、4週間後の彼らは驚く程日本語が上達していました。

モントレー国際大学ではTESOL(英語科教授法)の修士号を取得しながら、外国語教授法のコースも受講する事も可能です。詳しくはこちらを参照してください。

翻訳・通訳・言語教育プログラム紹介

今回から、各プログラムついて触れていきたいと思います。

翻訳・通訳・言語教育プログラムについて

翻訳・通訳、ローカリゼーション管理、また言語教育の分野では世界的に有名なプログラムです。モントレー国際大学の卒業生は世界各地で仕事をしており、一例をあげると、国連・安全保障理事会での討論やパシフィックリム通商会議や夏季オリンピックの競技といった場での通訳、多言語にわたる国際協定や各種取扱説明書、ウェブサイト、書籍、学術論文などの翻訳など、様々な分野で、卒業生の活躍が光ります。

言語教育に関しても、アメリカ国内でもトップレベルのプログラムです。創造的かつ応用的なカリキュラム、最新の設備、そして実地経験に基づくトレーニングを通して、一流の言語教育者を育成します。

 Photo by Lucyna Jodlowska (http://www.lucynajodlowska.com/)

前のポストでも書きましたが、翻訳・通訳・言語教育プログラムでは以下の修士号が修得できます

  • 翻訳学修士号(MAT)
  • 翻訳・通訳学修士号(MATI)
  • 翻訳・ローカリゼーション管理学修士号(MATLM)
  • 会議通訳学修士号(MACI)
  • 英語教授法修士号(MATESOL)
  • 外国語教授法修士号(MATFL)

モントレー国際大学では、毎年ジョブフェアや、様々な国際機関、政府組織、民間企業などへ就職するためのキャリアフェアを行っており、こうした充実したキャリアサポートに支えられ、翻訳者・通訳者ともに、国際機関、各国政府、非営利組織、民間企業や他国制企業への就職や、フリーランスで働くなど、様々なオプションの中から進路を選べるようになってます。

また、モントレー国際大学は、卓越した言語教育プログラムそして、英語やその他の語学教育における専門技術を備えた優秀な人材を世界各国に排出していることで知られています。このような環境で、言語教育プログラムでは、理論に戻づいた基礎知識と専門技術を組み合わせたカリキュラムを通して、熱意と向上心のある言語教育者を育成します。

在学中に培った専門知識と技術は、卒業後の仕事に存分に生かされます。充実したキャリアサポートのもと、卒業生は公立・私立学校や、政府の教育機関にとどまらず、カリキュラムの構成・発展や、語学プログラムの評価方法の修正、そして教師の育成といった分野での活躍しています。

卒業生の主な就職先を挙げると、

  • 国防総省語学研修所(カリフォルニア)
  • 国連
  • 防衛省(日本)
  • トヨタ
  • 富士通マイクロエレクトロニクス
  • 本田開発興業
  • 関西学院大学
  • 名古屋大学
  • 神田外語大学
  • UCLA
  • 慶應義塾高等学校
  • Goldman Sachs Japan
  • 慶應義塾高等学校

Photo by Lucyna Jodlowska (http://www.lucynajodlowska.com/)

インターンシップ (TESOL #1)

TESOLのプログラム1年目が終了し、夏のインターンシップが始まりました。今年の夏は合計4つの仕事に関わります。1つ目のインターンシップが終了したので報告したいと思います。

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6月4日〜9日までの6日間、カリフォルニア州立大学バークレー校のキャンパスにてYouth For Understanding (YFU)のプログラムを利用して日本へ夏期短期留学をするアメリカの高校生に日本語と日本文化を教えてきました(日本のYFUに関する情報はこちらを参照)。生徒はアメリカ全土から招集され、日本語学習経験や日本に対する見方もそれぞれ違った個性のある102人を迎え、4日間の集中講座を展開しました。

最初の2日間は事前に渡されていたレッスンプランを使ってのデモンストレーションや意見交換、教師間の振り返りなど、本番の授業に向けての準備が行われ、生徒を迎えた授業ではTESOLでこの1年間学習してきた事を存分に実践できました。MIISの強みである、理論(授業で学ぶ理論とその歴史的背景)と実践(インターンシップや教育実習など、学習した内容を実践出来る場を与えられる/見つけられるという強み)の両立は、将来の夢実現の為への大きな一歩となります。

外国の生徒に日本語を教えるというのはTFLの分野ですが、第2言語習得という意味ではTESOLとも共通する分野なので今回この仕事をさせていただきました。以前から日本語教授に興味があり、また両分野にまたいだ内容を授業で教わるので、このインターンシップは貴重な経験となりました。

Bridging Communication Gaps (TESOL)

4月30日、TESOL/ TFL 生徒の為のKathy Bailyによる第2回目のワークショップが開催されました。

今回英語スピーキングスキルの正確さ、流暢さ、習熟度に観点を置いた、「Bridging Communication Gaps: Strategies for Speaking」というトピックの下、主にコミュニケーション戦略についての説明と、生徒が実際のクラスでどのようにそれを活用してるかという内容でした。

コミュニケーション戦略は言語学習者が言いたい事を表現できない場合、どのような戦略を使うかというものです。多くの言語学習者は言いたい事があっても、それを上手く表現するレベルに到達してない為、言い表せない事が多くあります。そんな時にこの方法が役に立ちます。

コミュニケーション戦略は主に3つのカテゴリーに分けられ、その1部を紹介したいと思います。

① 特定のトピックの回避戦略

⇒学習者が自身のレベルを把握し、会話の中で表現出来ない内容が出てくる話題を避ける。

② 目的達成戦略

⇒言いたい事を完璧に表現するのではなく、その他の方法に頼る

例)遠回し表現、新造語使用、既に流暢に使える言語(母国語など)からの直訳、教師など自分以外の人に助けを求めるなど

③ 時間稼ぎ戦略

⇒言いたい表現が思いつくまで、”well…”や”Um…”などの表現を利用して発話までの時間を確保する

コミュニケーション戦略の知識は生徒の発話を促し、学習者の言語習熟度アップの手助けとなります。

言語学習に関するwebも紹介されたので、もしよかったらチェックしてみてください。

The International Research Foundation for English Language Education (英語)

第2言語教育での写真利用 – Speaking Activity

Picture-based activities for teaching speaking to L2 learners

第2言語教育での写真利用 – Speaking Activity

4月16日、TESOL/ TFLの生徒を対象にしたワークショップが開催されました。これは、Kathi Bailey教授 とColleen Maloney-Berman教授によるもので、現段階で私たちのプログラムには会話を教えるためのカリキュラムが組まれていないため、Bailey教授が生徒の要望に応え、実現したものです。

2時間という限られた時間で「写真をいかに利用し、生徒の発話を促すか」とうテーマを具体的な活動例を交えながら進めて行きました。

まず始めに生徒が写真のクラスへの応用方法について話し合い、写真を活用しない言語教育の短所についても述べました。要約すると・・・

写真(イメージ)を利用する事の長所:

  • 生徒の識字率が低くても発話を促す事ができる
  • 抽象概念(感情など)を提示しやすい
  • 教材として持ち運びしやすい
  • 1つの写真で多様な使用方法ができる
  • 英語に限らず、他言語の授業に使用できる

写真(イメージ)を利用しない事の短所:

  • 理解に時間がかかる
  • パワーポイントなどを使用した際、文章理解に時間がかかり、先生の説明に集中しにくい
  • 目に訴えかける物が無く、単調な授業になりやすい⇒生徒が飽きてしまう

ワークショップで紹介された授業への応用方法の一部を紹介します。

例1)Picture Description Task

動きのある写真(人がサーフィンをしていたり、運動をしていたりする写真)を使用し、生徒に写真の中の人が何をしているのかを聞く。教師は事前に生徒の発話をコントロールする為に枠組みを提供する。(文法で固定しても、会話の流れで固定する事も出来る。)

Right before taking this picture, I __________.

Right after taking this picture, I ____________.

This is my favorite one because ____________.

例2)Story telling

様々なカテゴリーから1枚ずつ写真を選び、物語の順に写真を並べ、出来上がった物語をクラスで発表する。

写真カテゴリー:女性、男性、自然風景、建物、乗り物 等。

以上のスピーキング・アクティビティーは授業の目的によってライティング・アクティビティーへも応用できるのが利点です。

4月30日には第2回目のスピーキング・ワークショップ( Techniques for teaching speaking fluency and pronunciation to L2 learners)が企画されているので、終わり次第ブログに反映したいと思います。

クラスの詳細③ (TESOL – Lanugage Analysis)

Language Analysis

このクラスは言語形式の特徴に対するアプローチと言語使用を研究(勉強)する授業です。特に、言語学の言語教育への応用に重点を置いています。

この授業の終了と同時に以下のスキルアップが出来るようになります。

  • 人間の認知、相互作用(交流)、社会化、アイデンティティー建設における言語の役割を理解
  • 実際に扱える程度の言語学の学説、説明、分析の中核となる知識の獲得
  • 音声学、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、言語行為論、談話分析に精通
  • 言語学がどのように教育実践に影響を与え、啓発するのかの理解・認識 等

John Hedgcockによる授業で、教科書は以下の2冊を主に使います。

  1. Finegan, E. (2008) Language: Its structure and use (5th ed.). Boston: Thomson Wadsworth.
  2. Gee, J. P. (2005). An introduction to discourse analysis: Theory and method (2nd ed). London: Routledge.

生徒は授業前に1の教科書を1チャプターずつ読み、それをベースにした授業が教授のパワーポイントによって行われます。私の居たセクションは10人程の少人数クラスだったため、分からない所はすぐに対応してもらえました。また、授業中のディスカッションも一人一人が発言し、意見交換が活発にされました。

このクラスでの課題は

  1. 教科書の各章の最後にある練習問題の提出
  2. 定期テスト(2回)
  3. Interaction Analysis – 談話分析(30分のスピーチサンプルを集め、3分間の会話を書き起こし、その会話について分析をする)

の3点です。課題によってこの分野の知識を深めるとともに、生徒の今までの言語学習、教授経験と関連づけられるとても英語教育に直接的に関連のあるチャレンジング且つ楽しい授業でした。