Category Archives: Path to MIIS

MBA留学で感じたこと

皆さん、こんにちは。国際経営学(MBA)専攻の玉井です。

MIISでは5月18日には卒業式が予定されており、2年生はこの日を最後に卒業です。お世話になった先輩方が卒業していくのは大変寂しいですが、MIISで学んだ内容を活かし各フィールドでの活躍を期待しています。また、3ヶ月間の夏休みを終えると、8月からは新1年生が入学してきます。今回は大学院へMBA留学を検討している方などへ、私がアプリケーションや入学してから感じたことについてお話しさせていただきます。

試験勉強の様子

試験勉強の様子

日本人留学生がアメリカでMBAに申し込むためには、テストスコア(TOEFL、GMAT)、自己紹介書、履歴書、推薦状、大学時代の成績証明書等が必要とされています。詳しくはMIISホームページをご覧ください。

http://www.miis.edu/admissions/requirements/business

決して人様に自慢できるようなスコアを取ったり、模範的な学生ではないですが、私なりに苦労したことなどを皆さんに共有出来ればと思います。

入学準備をしていく中で、私が最も手を焼いたものはTOEFLとGMATで基準点以上を取ることでした。初めて受けたTOEFLでは散々なスコアを叩き出し、自分は本当に入学することが出来るのだろうかと感じました。そんな中でも日々の学習に加え、移動時にポッドキャストで聞く英語

図書館の様子

図書館の様子

ニュースや英字新聞、メールマガジンへの登録など日々の生活からなるべく英語に触れる時間を増やしていきました。大学院に入学して1年目も終わろうとしていますが、現在でも通学時のニュースなどは当時から続く習慣となっています。

GMATは大きく分けて数学的思考力と英語の言語能力を測るパートに分かれています。数学は日本のセンター試験レベルなどと比較しても容易でしたが、逆に言語パートはTOEFLと比べてもかなり難易度が高かったです。日本の標準的な教育を受けてきた方にとっては、数学で高得点を取ることが全体のスコアを上げるポイントになるでしょうか。

基準点はなんとかクリアしたものの、入学してからも授業に遅れを取らないようする毎日でした。私が苦労した点は大きく3つです。

1つ目は英語力。私の英語力ではネィティブの先生が話す英語を1コマ(110分間)連続聞いていると集中力を保つことが難しく、追いつけなくなることも少なくなかったです。授業そのものよりも、予習・復習時に本や資料をじっくり読み理解することも多いです。

2つ目は授業の進め方。日本的な先生の板書を写して講義を聞くスタイルに慣れていた私にとって、ディスカッションなど授業中積極的に発言することは難しかったです。また初めのうちは、アメリカのテスト形式、授業登録そのものや先生へメールで質問することでさえも戸惑いました。

3つ目は日米の文化の違い。初めての授業では食事をしながら講義を受ける生徒に驚かされました。ケーススタディでもアメリカ人が当然知っている企業や著名人などの知識がないため苦労しました。

授業の様子

授業の様子

現在も遅れを取らないようにする毎日ですが、クラスメイトや友人の助けによりだんだんと慣れてきました。来年の春、私が卒業する頃には今の2年生のように成長した自分でありたいです。

モントレーでの一年を振り返る

今回は、期末試験も始まり、もうすぐ二年生ということで、一年を振り返る回にしたいと思います。また、これから一年生がMIISに入学されるということもあり、事前にモントレーで何が出来るのか、お話しすることにします。

 

まずは勉強面。一学期目は様々なトピックに関して翻訳や通訳の練習をし、手広く浅く、翻訳とは何か、通訳とは何かを学ぶ、習うより慣れる日々でした。カバーした分野は観光、レシピ、政治、文化、経済などなど。僕は他にもTLM(翻訳ローカライゼーションマネージメント)のクラスを二つ(翻訳支援ツールとローカライゼーションマネージメントの授業)選択科目として取りました。元々はCI(会議通訳)の修士を考えていたので、これらの授業は必修ではなかったのですが、とても興味のあるトピックでしたので、履修しました。TLMの授業の良いところは、他の言語を学んでいる学生と一緒に授業を履修できることです。他の言語の通訳や翻訳のビジネス環境などを知る良い機会でもあるので、オススメです。また、将来授業で知り合った学生から仕事をいただくこともあるかもしれません。TLMの学生は翻訳マネジメントを学んでいるので、将来のクライアント候補なのです。

 

二学期目は翻訳と通訳のコースを全て履修すると、それだけで16単位に達してしまいます。僕もTLMの授業は一つも取れませんでした。また、二学期目は経済や金融関係にフォーカスした授業構成となるため、最近の出来事などの背景知識が大事になってきます。普段からニュースを読み聞きしている必要があります。池上彰さんの本や、柴田真一さんの『図解式金融英語の基礎知識』などを読んでおくと良いと思います。僕は週刊誌や本など比較的よく書けているものを写経すると表現力の向上に役立つと言われたので、数分だけでも日々ニューズウィークなどの文章を書き写すようにしています。

 

生活面の話もしたいと思います。とても苦労したのは、家探しです。僕は最終的にはルームメイトを見つけてふたり暮らしをしています。それも、3日で家は見つかるだろうと思って泊まっていたホステルから出ていかなくてはならない日にフェイスブックを通して出会ったルームメイトと住んでいます。ひとりで部屋を探すよりも気の合う友だちをまず探したほうが良いかもしれません。たとえ好条件の物件を見つけたとしても、ルームメイトと上手くいかないと生活は大変です。僕とルームメイトはお互い日本人で家のものは共通口座で買っています。まずは、先輩を見つけて部屋の空きがないかを聞くなどすると良いかもしれません。きっと親身になって助けてくれるでしょう。

 

あとは、健康管理ですね。日本食が食べたい場合は車を持っている人に頼んでサンノゼのミツワに連れて行ってもらうと良いでしょう。ミツワは日本の食品が買えるスーパーです。ジムやスポーツ施設は日本よりずっと安く、豊富なので、心配ありません。モントレーペニンシュラカレッジでは無料でジムやテニスコート等が一般に開放されています。テニスラケットも日本の半額程度で手に入ります。学校には卓球台もありますし、ズンバなども無料で出来ます。

 

これから二年生になる僕たちは新入生が入学されるのを楽しみにしていますし、内心自分たちが先輩でいいのだろうかなどと心配したりしています。一緒に切磋琢磨出来ればと思います。

一年生とラッセル先生

先輩方とも同級生ともしばらくお別れです。皆さんが実り多き夏を過ごされることを心より祈っています。

「待てといふにとまらぬものと知りながらしひてぞ惜しき春の別れは」

読人しらず

モントレーで学ぶ国際経営学

皆さんはじめまして。国際経営学(MBA)専攻1年の玉井と申します。よろしくお願いします。

MIISのMBAに日本人又は日本語話者は少なく各学年に1~2人程なのですが、毎日世界中から集った学生と共に机を並べて勉強しています。国際的な考えや感覚などを磨いていく上でMIISは最適な環境だと日々感じながら過ごしています。今回は私がモントレー国際大学院に進学した経緯についてお話させていただきたいと思います。

 

私は日本で生まれ、高校までは地元の公立学校、大学では都内の私立大学に進学しました。大学では人間科学を専攻し、情報科学、環境、福祉、心理学、歴史、スポーツなど幅広く学びました。学生時代は部活動やアルバイト、サークル活動ばかりでなかなか海外で生活したことはなく、初めてパスポートを作ったのも大学の卒業旅行時です。大学卒業後、東京や福岡で某人材サービス会社の営業として3年ほど働き、その後1年間の語学留学を経てMIISに入学しました。

 

大学時代にも留学をして世界を体験してみたいという気持ちがぼんやりとありましたが、新卒として日本の企業に入社し実地で働き学べることも多いと考え、多くの業種と関わることができる広告営業という職に就きました。この間大小様々な会社の経営者や人事担当者とお仕事を一緒にさせていただき、その経験を通して多くのことを学ばせていただきました。とても充実していた生活でしたが仕事を通じ経営学を勉強してみたい、との思いから留学することを決めました。その決断に至ったきっかけは大きく3つ、体系的にビジネスについて学びなおしてみたい、将来的には日本の存在感を高めるような仕事をしてみたい、英語の能力を向上させたい、との思いからです。

 

MIISを選んだ最も大きな理由としては、その国際性の豊かさです。MIISには留学生や海外での留学・職務経験のあるアメリカ人学生の割合が多く、教室には様々なバックグラウンドを持った学生がいます。学生はほぼ全員が二ヶ国語以上の言語を話し(中には4,5ヶ国語以上も)教授陣や同級生たちもアジア、南米、アフリカ、欧州など英語圏以外から来た世界中の学生と交流することに慣れているためか、キャンパス内外問わず非常にフレンドリーです。20代半ばまで日本国内で生活してきた私にとって、入学式でこの学校に足を踏み入れた時から新鮮な毎日で半年経った今でも新しいことに出会う毎日です。正直にお話をすると、言わずもがなですが授業は全て英語で行われるので、私のように日本国内で生まれ育ってきた人間にとっては苦労することもままありますが、これも自分の糧になるいい経験だと思い毎日過ごしています。

 

次回は、MIISでの国際経営学(MBA)の授業の具体的な様子や私自身その中から感じることをお伝え出来ればと思います。

 Monterey Beach

プログラムとはあまり関係ないですが、モントレーはビーチも街のすぐそばにありとてもコンパクトで過ごしやすい街です。私はよく気分転換にビーチをランニングしたり、日曜日にはMIISのサッカー部員としてモントレーエリアのリーグ戦に参戦しています。このブログをご覧の皆さまも、ぜひ一度モントレーという街にお越しくださいね。

MIISで環境政策を学ぶに至るまで

皆さま

はじめまして。今回初めて投稿させて頂く、国際環境政策専攻2年生の藤木と申します。

MIISには、通訳翻訳プログラム(日本語専攻)以外にも、日本人学生が少なからず在籍します。とは言え、私の学ぶ国際環境政策プログラムには2013年春学期現在で、約40人中1人です。プログラム全体における留学生の比率及び出身地は、毎年変動するので一概には言えませんが、私の知る限り過去3年間で、日本人留学生は毎年1〜2人です。

今回は、私がMIISで国際環境政策を学ぶに至るまでの簡単な経緯をご紹介します。私は日本生まれの日本育ちです。小中高と日本の公立校に通い、大学では化学を専攻しました。大学卒業後は某自動車用品メーカーの海外営業部で働いていましたが、4年程勤務した後、退職して大学院で環境政策を学ぶことに決めました。

学生の頃から環境保全活動に興味があり、新卒での就職活動時には、環境NGOで働いてみたいとも思っていました。しかし、2000年代前半当時の日本社会にはまだ圧倒的に「環境保護=ボランティア=お金のある人が善意ですること」という固定概念が通っており、また、数少ない日本での環境NGOも新卒採用はしておらず、仕事として環境問題に関わることはなかなか難しいのが現実でした。

結果的に某メーカーに就職して働き始めたのは、「気候変動」という言葉が市民にも定着し、環境に対する企業責任という考え方が日本でも取り入れられ始めていた頃でした。「環境に優しい」を謳い文句にした商品が自社他社問わず次々に売り出され始め、「環境に優しい」とはどういうことなのか、私はよく考えるようになりました。仮に商品単体が「環境に優しい」としても、事業全体が「環境に優し」くなければ、それは単なる利益追求手段の一つで、グリーンウォッシングと呼ばれても否定できないのではないか。

そんな疑問が募り、環境問題に関わる仕事へのキャリアチェンジを目標に、大学院で専門知識を学ぶことにしました。毎日深夜まで仕事に追われる中、どうせ起きている時間の大半を費やすくらい仕事に情熱を傾けるのなら、より自分が興味のある仕事をしたいと考えたことも、決断を後押ししました。

環境政策分野に関しては、日本よりもアメリカの方が、大学院のカリキュラムも実際の政策も進んでいると分かり、アメリカに留学することにしました。MIISを選んだ理由の一つは、カリキュラムが環境政策のバックグラウンドを持っていなくても基礎から学べるように組まれていること、また、理系と文系の両科目が含まれていることでした。また、モントレーは、多くの環境NGOが本部を置くサンフランシスコに近いこと。モントレー沿岸自体も海洋保護区として様々な環境政策が実施されている地であること。そして、日本にひけを取らない安全な治安状態と雪の降らない穏やかな気候が決め手となりました。

次回は、国際環境政策プログラムの具体的なクラス内容とその様子、日々のスケジュール等をお届けします。

Kaori blog picture 1

モントレーには日本よりも一足先に春が訪れています。