在学生インタビュー【山本千鶴さん UN Womenインターンシップについて】

MIISでは、2学期終了後の夏休みにインターンシップを行い、実績を積む学生が少なくありません。今回は、国連機関「UN Women日本事務所」でインターンをされた山本千鶴さん(翻訳・通訳修士課程2年生)にお話を伺いました。

―夏休み明けのお忙しいなか、ありがとうございます。山本さんは夏休みのあいだ、UN Women日本事務所で3ヶ月間インターンをされていましたが、どんなお仕事をされていらっしゃったのでしょうか。

大きく分けて4つあります。1つ目は企業との関係構築です。女性の活躍を推進している日本企業をリサーチし、絞り込んだのちに、役員の方々とのアポイントメントを取り、企業訪問に同行しました。また、UN Womenの取り組みを知っていただくために、日本語版の簡単な説明資料を作成しました。2つ目はUN Womenの重要な報告書である “Progress of the World’s Women”の日本語版作成です。翻訳会社との調整、および翻訳チェックを担当しました。3つ目はウェブサイトの翻訳です。日本事務所の開設によって、日本語での情報がより求められるようになるため、NY本部の英語のウェブサイトを日本語に翻訳しました。4つ目は開所式の準備です。UN Women日本事務所の開所式を開催するにあたって、招待状の発出および招待客の管理、必要な印刷物の手配、開所式運営のサポート、そして報道発表の準備を行いました。記者会見では、ムランボ=ヌクカUN Women事務局長の通訳を担当する機会にも恵まれました。

IMG_3235―インターンシップでどのような学びがありましたか。

事務所が開設されてから日が浅く、また、少人数の事務所であったために、非常に多くのことを任せていただきました。より多くの方々にUN Womenの活動を知っていただくため、日本事務所長のご指導のもと、政府や民間企業、市民団体、学術界等、様々な方々に働きかけを行いました。特に、新規にコンタクトを取った企業でも快く対応してくださり、あきらめずにやってみることで新たなつながりが結べるのだと実感しました。企業訪問に同行させていただいたことで、民間企業の取り組みや働く女性が置かれている状況を外側から知ることができました。また、事務所の開所式という一度限りの大きなイベントの準備に関わり、NYのUN Women本部や、日本事務所が存在する東京都文京区役所、外務省、イベント関係会社等、様々な方々とやりとりをするなかで、タイムリーなコミュニケーションの大切さを感じました。そして、まったく新しい組織での勤務だったため、情報インフラの整備と、組織の紹介資料等のツールの確保は大変重要であると痛感しました。日本事務所の初期メンバーとして事務所の立ち上げに携われたことは大変幸運だったと思っています。

―MIIS で学んだことがインターンシップでどう活かされたか、お聞かせください。IMG_3237

“Progress of the World’s Women”やその他媒体の翻訳をした際に、読み手にとってわかりやすい文章を作るように心がけました。文字通りの翻訳や意味が伝わるだけのものではなく、読み手がストレスフリーで理解できるように全体の意味を捉えた翻訳に仕上げるよう注力しました。また、開所式の記者会見で通訳をした際は、落ち着いて相手に伝わるような通訳を心がけました。知識を蓄えておくことで少しでも緊張がほぐれるように、事前のリサーチだけでなく、ムランボ=ヌクカUN Women事務局長が日本に到着された際には成田空港までお迎えに同行させていただきました。最後に、これは同時通訳にも関連しますが、マルチタスク、つまり複数の業務を同時遂行するスキルです。開所式が迫っていた時期には、翻訳チェックやその他業務も並行して進めていたため、仕事に優先順位をつけて取り組むことで、全体の進行を遅らせることなく進めることができました。このような素晴らしいインターンの機会を与えてくださり、ご支援くださった関係者の方々に心より感謝しています。