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インターンシップについて【福谷昌子 ホンダR&Dアメリカ(Honda R&D Americas)(2)】

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。

前回からお伝えしている、2018年夏のオハイオ州にあるホンダR&Dアメリカでのサマーインターンシップについての後半記事です。前半はこちらからどうぞ。

インターンシップならではの学び

MIISの同時通訳の授業では、1人の人が話し続ける講演や、2人〜4人によるパネルディスカッションのビデオを流して練習をします。日英・英日同時通訳の場合、通訳者1人が連続して通訳できるのは15分〜20分と言われています。同時通訳の授業が始まるのは2学期からで、私は2学期の終わり時点で8分程度の同時通訳しか経験がありませんでした。

研究所では、1つの会議につく通訳は基本的に1人です。最初の1週間は先輩通訳の皆さんのお仕事を見学させていただき、2週目からは本格的に通訳の実践に入りました。最初は1時間ほどの会議でも先輩通訳の方とペアになり、交代しながら慣れていきました。ブースに入って日本語から英語、または英語から日本語の一方向に講演の内容を通訳するふだんの授業や練習とは違い、会議では会話が中心なので、1回の会議で日英・英日の切り替えを何度もするのが新鮮でした。また、授業ではいつも1人でブースに入っていたので、タイミングを読んでペアの通訳さんと交代する練習ができたことも実践にかなった経験でした。

研究所で一番おどろいたことの一つが、エンジニアの皆さんが通訳を介したコミュニケーションにとても慣れているということです。研究開発とひとくちに言っても、車一台の設計となると車体からエンジン、電気系など、分野はさまざま。研究所の中でいくつもの室課に分かれてたくさんのエンジニアの方々が作業しています。そのため、一日のうちに行われる会議数も膨大でした。その会議のうち、日本人が出席する会議や日本とのテレビ会議など、通訳が必要になるものは、ほぼすべて言語サービス室課から通訳が送られます。日本人駐在員と働く機会の多いエンジニアの方々は、通訳がしやすいように話すペースを考えてくださったり、必要に応じて重要な点を繰り返したりしてくださり、とても通訳のしやすい雰囲気を作ってくださいました。

また、毎日通訳が研究所内を動き回っているような現場なので、通訳翻訳がしやすい環境もしっかりと整っていました。事前の資料提供に関しては、できるだけ事前準備ができるように会議担当者の方と直接話したりメールを飛ばしたりすることが言語サービス室課内で推奨されていました。そのため、実際に会議担当者のデスクまで行って資料提供をお願いしたりすることもあり、事前準備やクライアントとのコミュニケーションの大切さも身をもって学ぶことができました。わからないことの多いインターンの私に、いやな顔ひとつせず指導してくれる先輩方や資料提供に応じてくれるエンジニアの方々に恵まれていたことをとてもありがたく感じました。会議中にわからない専門用語があると、会議終了後、気さくに質問に答えてくださるエンジニアの方も多く、自動車に関するバックグラウンドがまったくなかった私でも勉強しやすく、学んだことをすぐに生かしていける環境でした。

ホンダジェットと(ホンダ・ヘリテージ・センターにて)

MIISだからこそできたインターンシップ

先にも書いた通り、このインターンシップは2018年の3月に開催されたMIIS TILMキャリアフェアを通じて採用していただきました。ホンダR&Dアメリカでは、中西部の地域を中心に、工学系の学部がある様々な大学からエンジニアのインターン生を採用していますが、言語サービス室課に関しては、毎年サマーインターンの採用のためにわざわざカリフォルニア州まで足を伸ばしてMIISのTILMキャリアフェアに来てくださっています。研究所のほぼ全室課に対して通訳サービスを提供する言語サービス室課では、会議の分野ごとに少しずつ異なる膨大な量の専門用語をいち早く覚え、臨機応変にエンジニア間のコミュニケーションをサポートするのに十分な通訳訓練経験が求められているためです。このようなMIISの学生の質への信頼を築き上げたのは、紛れもなく歴代サマーインターンを経験されてきた先輩方であり、卒業後ホンダR&Dアメリカに就職して活躍されてきた卒業生の方々です。私がインターンをした時点ではMIIS出身の先輩通訳の方が2人いらっしゃいましたが、お二方ともに室課のみなさんから信頼され、通訳チーム全体を率いる存在でした。MIISだからこそ経験できた、とても充実した3ヶ月となりました。

これから

サマーインターンでの大きな学びのひとつは、どんな分野であれ、飛び込んでみなければどんな景色が待っているかわからないということです。インターン前は、車に関する知識も皆無に等しく、自分から興味をもったことのある分野でもなかったため、3ヶ月通訳としてやっていけるのか不安で仕方ないというのが正直なところでした。しかし、素晴らしい先輩通訳の方々やエンジニアの方々とお仕事をさせていただく中で、それまでまったく知らなかった自動車業界の面白さを垣間見ることができました。

私はいよいよ5月にはMIISを卒業し、社会に飛び込んでいくことになります。まだ進路は模索中ですが、先入観や苦手意識などにとらわれずに選択していきたいと思います。

インターンシップについて【福谷昌子 ホンダR&Dアメリカ(Honda R&D Americas)(1)】

みなさんこんにちは。現在日本語プログラム翻訳通訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。今回は、2学期終了後の夏休みに、オハイオ州レイモンドのホンダR&Dアメリカでインターンシップをさせていただいた経験についてお話ししたいと思います。

学生アソシエイト通訳として採用されるまでの流れ

毎年春学期、MIISではTILM(翻訳通訳ローカリゼーション管理)プログラムの学生を対象としたキャリアフェアが開催されます。ホンダR&Dアメリカの方も、2018年3月に行われたキャリアフェアに日英社内通訳のインターンを採用しにいらっしゃっていました。そこで履歴書を担当の方にお渡しし、フェア後にインターン希望者と担当者で懇談の形をとって面接よりもカジュアルな雰囲気でお話をし、後日ホンダの人事部と言語サービス室課の方々と電話面接を行いました。1週間ほどで採用通知をいただき、オハイオでのサマーインターンシップが決まりました。

学生アソシエイトとは

この開発研究所で働かれている方々は、主に日本人駐在員、現地採用の正社員(アソシエイト)、派遣社員に分かれています。私は学生アソシエイトとして採用していただき、正社員が出席する会議やイベントにも参加させていただく機会がありました。

インターンシップの終わりには、3ヶ月間でどんな業務を体験したかや、その経験を通して学んだことなどをマネージャーの前で発表する場があり、エンジニアとして働いていた他の学生アソシエイトの皆さんのインターンシップ内容も知ることができました。

言語サービス室課の一日

言語サービス室課は、その名の通り、通訳翻訳の言語サービスを他の各室課に提供しています。翻訳のみ担当の方もいらっしゃいますが、ほとんどは主に通訳として一日に複数の会議に参加し、空いている時間に会議で使われる資料の翻訳をしていました。

日本とのテレビ会議も多く、時差を考慮した上で最も合理的な早朝(日本の夕方)と夜(日本の早朝)に会議を設定するのが一般的でした。私はお昼頃から夜の会議までを担当する遅番だったので、朝は比較的ゆっくり出勤し、午後から一日2〜3件、多いときは4件の会議の通訳を行いました。通訳は原則同時通訳で、ブースではなく持ち運び可能な同時通訳機器で行いました。

研究所の近くにあるホンダ・ヘリテージ・センター

読んでいただきありがとうございました。次回はこのインターンシップを通して得た学びについてお話します!