Author Archives: Masako Fukutani

2019年春休み 東アジアにおける外交政策・通商・安全保障 東京研修(後編)

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻2年生の福谷昌子です。

今回は、前回に続いて、春休み期間中の東アジア研究の授業の一環として行われた東京への研修旅行の2日目から最終日までについてお伝えします。

前回の記事はこちらからどうぞ。

2日目(3月18日):通訳①

この日のスケジュールは次の通り。

防衛省・防衛研究所にて英語での意見交換会・質疑応答。テーマは「日本をめぐる安全保障環境」

国会議事堂見学後、元参議院議員の方との懇談会・質疑応答

経済産業省にて英語での講演・質疑応答。テーマは「多国間貿易」

私たちが通訳を担当したのは、国会での懇談会でした。各自のリサーチテーマを元に貿易や北朝鮮の核ミサイル問題などについて様々な質問が投げかけられ、その質問と答えを逐次通訳しました。中国語通訳の学生がタイムキーパーとして助けてくれる中、日本語通訳2名で15分交代で通訳を行い、通訳メンバーの中で良いチームワークを持ってスムーズに進めることができました。

国会議事堂前にて

3日目(3月19日):通訳②

都内学術機関にて個人インタビュー

政策研究大学院大学にて英語での講演・質疑応答。テーマは「日本の国家安全保障政策と課題」

外務省にて英語での講演・質疑応答

この日は、午前中に2名の学生による個人インタビューに同行して通訳をしました。インタビューのお相手は日本の移民政策に詳しい大学教授の方で、日本における外国人労働者の状況について質問がされました。ここでは、時間の節約と円滑なインタビューを目的として、インタビュアーの学生1名につき通訳1名が隣に座って日→英はウィスパリング、英→日は逐次で通訳を行いました。

4日目:移動日

学生各自、中国・北京へ移動

日本語通訳は東京に残り、そのままモントレーに戻りました。

まとめ

以上、研修旅行についての詳細をお伝えしました。

ふだんは入ることのできない政府機関を訪問して幅広い分野についてのお話を伺い、なによりそれを通訳させていただく機会をいただき、大変光栄であり貴重な経験でした。

通訳・翻訳の授業と同時並行でリーディングの課題が多い*GSIPM(国際政策管理大学院)の授業を受けるというのはMIISで過ごす2年間で初めての経験でしたが、非常に学びが多く、また他プログラムの学生と知り合うことのできるとても良い機会となりました。

個人的には、7年ぶりに日本の春を感じることができ、とても充実した春休みとなりました。

この場をお借りして、引率してくださった赤羽恒雄先生、Wei Liang先生、東アジア研究に合わせて授業教材を選んでくださった通訳科の先生方、そしてこの研修を可能にしてくださったすべての方々に感謝申し上げます。

MIISのホームページで公開されている記事もよろしければ合わせてお読みください。

https://www.middlebury.edu/institute/news/students-conduct-field-research-east-asia-during-spring-break (英語)

*GSIPM: MIISには、大学院が2つあり、TILMはGSTILE(翻訳通訳言語教育大学院)に属しています。GSTILEでは通訳、翻訳、TESOL(外国語話者を対象とする英語教育)のプログラム、GSIPMには核非拡散、環境保護、国際教育管理などのプログラムがあります。

2019年春休み 東アジアにおける外交政策・通商・安全保障 東京研修(前編)

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻2年生の福谷昌子です。

先日Facebookページでもお知らせした通り、先月の春休み期間中、東アジア研究の授業の一環として行われた東京への研修旅行に日本語プログラムの2年生が2名、通訳者として同行しました。

今回と次回のブログ記事では、その時の様子についてじっくりお話させていただきます!

東アジア研究とは

MIISでは、「東アジアにおける外交政策・通商・安全保障(Foreign Policy, Trade and Security in East Asia)」という授業がプログラムをまたいで隔年オファーされており、春休みには授業の一環として東京と北京への研修旅行があります。

学生たちは、研修旅行前に各自研究テーマを設定し、授業内外でのリサーチや現地でのリサーチ・インタビューを通してレポートの材料集めをしたのち、学期末には研究レポートを提出します。

研修では、各都市の政府機関や大学機関へ訪問し、代表の方による講演を聞かせていただいたり、各学生が研究テーマを元に質問する質疑応答の時間をいただいたりします。

今年の東京研修には、翻訳通訳科および翻訳科から、日本語プログラムの2年生が2名、通訳者として同行しました。

準備

2月に春学期が始まってから春休みまでの7週間は、他の授業と同様、週1回の授業がありました。日本語・中国語プログラムから各2名、通訳として同行することが決まっていた学生も、通訳準備の一環としてこの授業を聴講しました。

私たち翻訳通訳科の学生が普段受けている授業では、通訳者・翻訳者としての実践的なスキルを身につけるため、皆が同じ資料を読むのではなく、翻訳課題や次の授業で練習する通訳のトピックについて各自でリサーチを行い、必要なリソースを見つけ、その翻訳に必要な知識を得るために勉強したり、適切な訳を探すために用語を調べたりするのが一般的です。

それとは打って変わって、この東アジア研究の授業では、毎回授業前に読むリーディングの課題があり、授業の前半ではリーディングの内容に沿った教授の講義、後半ではその週のディスカッションリーダーを任された学生を中心にディスカッションが行われるという授業構成になっていました。

扱う分野は、「東アジアにおける外交政策・通商・安全保障」という授業名からもご想像いただける通り広範で、主に日本、中国、韓国、ロシア、アメリカ間の関係を、外交、貿易、安全保障の角度から勉強しました。

乗り継ぎ地の台湾で観光した時のようす

日程

3月16日   移動日(モントレーから東京)

17日〜19日 東京研修

20日     移動日(東京から北京)

21日〜23日 北京研修

24日     移動日(北京からモントレー)

研修には教授2名の引率のもと学生24名(うち通訳4名)が参加し、日本語通訳は東京研修のみ同行しました。ここでは東京研修に焦点を当てて紹介していきます。

1日目(3月17日):観光日

午前中に靖国神社の遊就館を見学後、午後は銀座観光。

そのあと浜離宮庭園からフェリーに乗って隅田川を渡り、浅草観光をして1日を終えました。

靖国神社

今回は、主に研修旅行の準備段階についてお話しました。

次回からは早速、通訳を行なった経験について詳しくお伝えしていこうと思います。

ぜひチェックしてみてくださいね!

インターンシップについて【福谷昌子 ホンダR&Dアメリカ(Honda R&D Americas)(2)】

みなさんこんにちは。

日本語プログラム翻訳通訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。

前回からお伝えしている、2018年夏のオハイオ州にあるホンダR&Dアメリカでのサマーインターンシップについての後半記事です。前半はこちらからどうぞ。

インターンシップならではの学び

MIISの同時通訳の授業では、1人の人が話し続ける講演や、2人〜4人によるパネルディスカッションのビデオを流して練習をします。日英・英日同時通訳の場合、通訳者1人が連続して通訳できるのは15分〜20分と言われています。同時通訳の授業が始まるのは2学期からで、私は2学期の終わり時点で8分程度の同時通訳しか経験がありませんでした。

研究所では、1つの会議につく通訳は基本的に1人です。最初の1週間は先輩通訳の皆さんのお仕事を見学させていただき、2週目からは本格的に通訳の実践に入りました。最初は1時間ほどの会議でも先輩通訳の方とペアになり、交代しながら慣れていきました。ブースに入って日本語から英語、または英語から日本語の一方向に講演の内容を通訳するふだんの授業や練習とは違い、会議では会話が中心なので、1回の会議で日英・英日の切り替えを何度もするのが新鮮でした。また、授業ではいつも1人でブースに入っていたので、タイミングを読んでペアの通訳さんと交代する練習ができたことも実践にかなった経験でした。

研究所で一番おどろいたことの一つが、エンジニアの皆さんが通訳を介したコミュニケーションにとても慣れているということです。研究開発とひとくちに言っても、車一台の設計となると車体からエンジン、電気系など、分野はさまざま。研究所の中でいくつもの室課に分かれてたくさんのエンジニアの方々が作業しています。そのため、一日のうちに行われる会議数も膨大でした。その会議のうち、日本人が出席する会議や日本とのテレビ会議など、通訳が必要になるものは、ほぼすべて言語サービス室課から通訳が送られます。日本人駐在員と働く機会の多いエンジニアの方々は、通訳がしやすいように話すペースを考えてくださったり、必要に応じて重要な点を繰り返したりしてくださり、とても通訳のしやすい雰囲気を作ってくださいました。

また、毎日通訳が研究所内を動き回っているような現場なので、通訳翻訳がしやすい環境もしっかりと整っていました。事前の資料提供に関しては、できるだけ事前準備ができるように会議担当者の方と直接話したりメールを飛ばしたりすることが言語サービス室課内で推奨されていました。そのため、実際に会議担当者のデスクまで行って資料提供をお願いしたりすることもあり、事前準備やクライアントとのコミュニケーションの大切さも身をもって学ぶことができました。わからないことの多いインターンの私に、いやな顔ひとつせず指導してくれる先輩方や資料提供に応じてくれるエンジニアの方々に恵まれていたことをとてもありがたく感じました。会議中にわからない専門用語があると、会議終了後、気さくに質問に答えてくださるエンジニアの方も多く、自動車に関するバックグラウンドがまったくなかった私でも勉強しやすく、学んだことをすぐに生かしていける環境でした。

ホンダジェットと(ホンダ・ヘリテージ・センターにて)

MIISだからこそできたインターンシップ

先にも書いた通り、このインターンシップは2018年の3月に開催されたMIIS TILMキャリアフェアを通じて採用していただきました。ホンダR&Dアメリカでは、中西部の地域を中心に、工学系の学部がある様々な大学からエンジニアのインターン生を採用していますが、言語サービス室課に関しては、毎年サマーインターンの採用のためにわざわざカリフォルニア州まで足を伸ばしてMIISのTILMキャリアフェアに来てくださっています。研究所のほぼ全室課に対して通訳サービスを提供する言語サービス室課では、会議の分野ごとに少しずつ異なる膨大な量の専門用語をいち早く覚え、臨機応変にエンジニア間のコミュニケーションをサポートするのに十分な通訳訓練経験が求められているためです。このようなMIISの学生の質への信頼を築き上げたのは、紛れもなく歴代サマーインターンを経験されてきた先輩方であり、卒業後ホンダR&Dアメリカに就職して活躍されてきた卒業生の方々です。私がインターンをした時点ではMIIS出身の先輩通訳の方が2人いらっしゃいましたが、お二方ともに室課のみなさんから信頼され、通訳チーム全体を率いる存在でした。MIISだからこそ経験できた、とても充実した3ヶ月となりました。

これから

サマーインターンでの大きな学びのひとつは、どんな分野であれ、飛び込んでみなければどんな景色が待っているかわからないということです。インターン前は、車に関する知識も皆無に等しく、自分から興味をもったことのある分野でもなかったため、3ヶ月通訳としてやっていけるのか不安で仕方ないというのが正直なところでした。しかし、素晴らしい先輩通訳の方々やエンジニアの方々とお仕事をさせていただく中で、それまでまったく知らなかった自動車業界の面白さを垣間見ることができました。

私はいよいよ5月にはMIISを卒業し、社会に飛び込んでいくことになります。まだ進路は模索中ですが、先入観や苦手意識などにとらわれずに選択していきたいと思います。

インターンシップについて【福谷昌子 ホンダR&Dアメリカ(Honda R&D Americas)(1)】

みなさんこんにちは。現在日本語プログラム翻訳通訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。今回は、2学期終了後の夏休みに、オハイオ州レイモンドのホンダR&Dアメリカでインターンシップをさせていただいた経験についてお話ししたいと思います。

学生アソシエイト通訳として採用されるまでの流れ

毎年春学期、MIISではTILM(翻訳通訳ローカリゼーション管理)プログラムの学生を対象としたキャリアフェアが開催されます。ホンダR&Dアメリカの方も、2018年3月に行われたキャリアフェアに日英社内通訳のインターンを採用しにいらっしゃっていました。そこで履歴書を担当の方にお渡しし、フェア後にインターン希望者と担当者で懇談の形をとって面接よりもカジュアルな雰囲気でお話をし、後日ホンダの人事部と言語サービス室課の方々と電話面接を行いました。1週間ほどで採用通知をいただき、オハイオでのサマーインターンシップが決まりました。

学生アソシエイトとは

この開発研究所で働かれている方々は、主に日本人駐在員、現地採用の正社員(アソシエイト)、派遣社員に分かれています。私は学生アソシエイトとして採用していただき、正社員が出席する会議やイベントにも参加させていただく機会がありました。

インターンシップの終わりには、3ヶ月間でどんな業務を体験したかや、その経験を通して学んだことなどをマネージャーの前で発表する場があり、エンジニアとして働いていた他の学生アソシエイトの皆さんのインターンシップ内容も知ることができました。

言語サービス室課の一日

言語サービス室課は、その名の通り、通訳翻訳の言語サービスを他の各室課に提供しています。翻訳のみ担当の方もいらっしゃいますが、ほとんどは主に通訳として一日に複数の会議に参加し、空いている時間に会議で使われる資料の翻訳をしていました。

日本とのテレビ会議も多く、時差を考慮した上で最も合理的な早朝(日本の夕方)と夜(日本の早朝)に会議を設定するのが一般的でした。私はお昼頃から夜の会議までを担当する遅番だったので、朝は比較的ゆっくり出勤し、午後から一日2〜3件、多いときは4件の会議の通訳を行いました。通訳は原則同時通訳で、ブースではなく持ち運び可能な同時通訳機器で行いました。

研究所の近くにあるホンダ・ヘリテージ・センター

読んでいただきありがとうございました。次回はこのインターンシップを通して得た学びについてお話します!

Fall Forum 2018を振り返る(2)

こんにちは。

日本語プログラム通訳翻訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。

前回からお伝えしている11月16日(金)に開催されたFall Forumの後半記事です。前半はこちらからどうぞ。

当日のようす

スピーカー31人、各パネルの司会8人、通訳者30人(一部通訳者スピーカー兼任)の参加で迎えた当日、オープニングセッションの会場であるアーバイン講堂は多くの学生で賑わっていました。

今年は、英語で行われたオープニングセッションにて4ヶ国語(日本語、韓国語、ロシア語、中国語)への同時通訳も行われ、特に通訳専攻の1年生にとっては、2年生の同時通訳を聞ける貴重な機会ともなりました。

パネルディスカッションでは、スピーカー1人につき2分程度該当トピックについてのオープニング・ステートメントがあり、その後司会による進行のもとオーディエンスも交えた質疑応答の時間が設けられました。どのパネルでも、各国のジェンダーの捉えられ方に関して文化、政治、教育など様々な側面から多くの興味深い質問が投げかけられ、とても有意義な議論ができました。日本語プログラムからも2年生2人が通訳として参加し、1年生もオーディエンスとして質問するなどして積極的にディスカッションを盛り上げました。

 

おわりに

今回のFall Forumでは、私自身、企画側として、また通訳・スピーカーとして携わる中で、このようなカンファレンスの企画・運営に関して多くのことを学ぶことができました。特に、Queers & Allies at MIISのメンバーと企画側として話す機会を得たことで、通訳としても企画者としても、こういった繊細なトピックを扱うことの責任や重大さを深く再確認しました。同時に、普段は翻訳通訳専攻、会議通訳専攻の学生が実際に通訳しているところを見ることがない他学部の学生にも、今回スピーカーやオーディエンスとして参加したことで私たちが普段どんな勉強・訓練をしているのかを垣間見る機会を提供することができ、通訳翻訳学部と他学部を結ぶ交流の場のきっかけを作ることができました。

2年生による逐次通訳

また、他の言語プログラムの学生の逐次通訳を見る機会も貴重なので、デリバリーや話すペースなども見ていてとても勉強になりました。なにより、この企画委員会に入ったことで、他言語プログラムで通訳を学ぶ同期と仲良くなることができ、Fall Forumが終わってからも卒業まで、そしてその先まで一緒に頑張っていける友人であり同僚である仲間たちに出会うことができたことを嬉しく思います。

この場をお借りして、Fall Forum開催に関わってくださったすべての皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

Fall Forum 2018を振り返る(1)

こんにちは。

日本語プログラム通訳翻訳専攻(T&I)2年生の福谷昌子です。

今回は、11月16日(金)に開催されたFall Forumについて、2回に分けてお伝えします。私自身、今年のFall Forum企画委員7人のうちの1人として企画・運営に携わったので、企画過程や当日の様子などをじっくりお話していきたいと思います!

Fall Forumとは

毎年通訳プラクティカムを履修している通訳科(会議通訳専攻または通訳・翻訳専攻)の2年生が企画・運営する模擬パネルディスカッションです。

1パネルにつき司会(モデレーター)1人とスピーカー3〜4人で構成され、全員に1人ずつ通訳者がつき、逐次通訳を介して多言語でのディスカッションを行います。

今年は、日本語、中国語、韓国語、ロシア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語の計7ヶ国語でディスカッションが行われました。テーマは「Genderation(ジェンダレーション)」。今の世代のリアルなジェンダーに関するトピックを取り上げた8つのパネルディスカッションが行われました。

各パネルでのトピック:

  • 女性戦闘員(Women in combat)
  • 男女別教育(Single-sex schools/courses)
  • ジェンダーから見る言語学(Gender-related linguistics)
  • LGBTQの人々の権利 (LGBTQ+ Rights)
  • ジェンダーステレオタイプ(Gender stereotypes)
  • ジェンダーアイデンティティと家庭教育(Gender identity & upbringing)
  • 職場での差別(Workplace discrimination)
  • ジェンダーと政治:アファーマティブ・アクション(Gender and politics: affirmative action)

 

テーマについて

企画委員会のメンバーは全員、去年もスピーカーとしてFall Forumに参加した経験がありました。通訳者はプラクティカムを受講している2年生が中心ですが、スピーカーや司会は完全ボランティア制です。該当トピックについて話をしてもらうのにはある程度各自でリサーチしてもらうことや、各国、各文化でのそのトピックに関する情報共有をする場でもあるオープニング・ステートメントの準備もお願いすることになります。スピーカーや司会は、基本的には次の年に企画側となる通訳専攻の1年生を中心にお願いすることが多いです。

 

委員会では、去年スピーカーとして感じたことなども踏まえながら、スピーカーの方々が活発に議論できるよう、他に授業などもある中でディスカッションへの準備をしやすく、また興味も持ちやすいトピックにしようという主旨のもと議論が進められました。

また、パネルが複数あるため、狭すぎない分野にすることでパネル間での多様性も持てるようにしたいなどの意見もあがり、結果として「今の時代のジェンダーについて話そう」という形でまとまりました。

 

TILMを超えた参加の輪

例年、Fall Forumは通訳プラクティカムのイベントということもあり参加者はGSTILE(Graduate School of Translation, Interpretation, and Language Education)の学生が主でした。しかし、今年はジェンダーがテーマということで、構内の掲示板やスクリーンでFall Forumの宣伝を見たLGBTQコミュニティをはじめとするGSTILE内外の学生や教職員から例年よりも強い関心が寄せられました。今年発足した学内LGBTQコミュニティクラブQueers & Allies at MIISからも、ロシア語スピーカーとして1名が参加し、他のメンバーも積極的にオーディエンスとしてLGBTQ当事者としての声を共有しました。

 

 

シェファードさんによる基調講演

オープニングセッションでは、GSIPM(Graduate School of International Policy and Management)で紛争解決学を教えているプシュパ・アイヤー准教授と、同じくGSIPMで国際教育管理学および行政学を学ぶ2年生のケイトリン・シェファードさんに基調講演をしていただきました。

 

*****

読んでいただきありがとうございました。

次回は当日の様子をお伝えします!

在学生インタビュー【ティム・サーさん ニンテンドー・オブ・アメリカ(Nintendo of America)でのインターンシップについて】

今回は、2学期終了後の夏休みに、ワシントン州のレッドモンドにあるニンテンドー・オブ・アメリカにてインターンシップをされたティム・サーさん(翻訳ローカリゼーション管理修士課程ローカリゼーション専攻2年生)にお話を伺いました。

シアトルのスペースニードル展望台にて

-今回はお時間をいただきありがとうございます。サーさんは今年、ニンテンドー・オブ・アメリカでサマー インターンとして働かれたそうですね。もともと同社ではインターン採用の予定はなかったと聞きましたが、どのようにしてインターンシップを獲得したんでしょうか?

ネットワーキングです!MIISのキャリアカウンセラーのエディーさんから、ニンテンドー・オブ・アメリカで働いている方をLinkedInで探して、空いているポジションがないか聞いてみてはどうかとアドバイスをいただきました。そこで、日本で働いた経験がある方や、MIISの卒業生など、自分と共通点がある方を探しました。そしてついに私の履歴書を社内で共有してくださるという方が現れ、人事部につなげていただくことができました。時間はかかりましたが、通常は2年契約でしか採用しないポジションで特別に夏だけ働かせていただくことになったのです。最初はどうなるか心配でしたか、最終的にはこうしてインターンシップを獲得できました。

-1日の勤務スケジュールはどんな感じでしたか?サーさんが所属していたチームや部署ではどのような責任や仕事を任されていたんでしょうか。 

私が働いていた言語サービス(Language Services)部署では、日本の国内拠点とやりとりをする社内文書を翻訳しています。多くがデベロッパーからのコメントでしたが、マニュアルガイドやプレゼン資料を訳すこともありました。通常、一日のはじめにデベロッパーのコメント・プラットフォームからひとまとまりの翻訳業務が入ってくるので、それを日本語に翻訳します。すべて翻訳し終わると、一日を通してプロジェクト・スペシャリストからもっと大きい翻訳案件が回されます。さらに、翻訳を中心とした様々なテーマについてのミーティングも頻繁に開かれていました。

毎週金曜日には、みんなでアイスを食べながら親交を深めるアイスクリーム・ブレイクも設けられました。

-ニンテンドー・オブ・アメリカでの経験はどうでしたか?今回のインターンシップでの学びを教えてください。 

とても良い経験でした!チームのみなさんも素晴らしい方ばかりで、優しく接していただきました。最初は、ローカリゼーションを専攻しているのに翻訳の仕事ばかりで少し残念に思っていましたが、最終的にはとても価値のある、学びの多い経験になりました。長い期間をかけて確立された効率的なワークフローを間近で見ることができた上、大学院での残りの1年間、何に焦点を当てて過ごすべきかについてもアドバイスをいただくことができました。そして言うまでもなく、とても興味深い方々との出会いもありました。

-MIISのTLM(翻訳ローカリゼーション管理)プログラムでの勉強は、ニンテンドー・オブ・アメリカでどのように生かされましたか?

MIISで勉強したことこそが、このサマーインターンシップを獲得できた大きな理由の一つだったと思います!CATツール(翻訳支援ツール)の使い方も既に勉強して知っていましたし、最近のローカリゼーションでよく使われているツールや専門用語も知っていたので、時間を無駄にすることなくスムーズにチームに溶け込み、すぐに仕事を始めることができました。また、MIISでの経験のおかげで、ワークフローやベストプラクティスなどについての会話にも自信をもって飛び込んでいくことができました。MIISでの経験は大いに生かされたと思います。

サーさんのニンテンドーグッズ

-最後に、ブログ読者の方にメッセージをお願いします。 

サマーインターンシップを探すにあたって私とまったく同じことをするのをお勧めできるかどうかはわかりません。このインターンを獲得するために春学期はずっとネットワーキングに努めていましたし、実はニンテンドー・オブ・アメリカだけに賭けているところがありました。ダメだった時のための他の選択肢は用意していなかったので、プレッシャーはとても大きいものでした。もし自分にとって夢のサマー インターンがあるのであれば、全力でそれに向かっていってほしいと思います。ただ、少なくとも他の選択肢も見ておくと良いかもしれません。

*今回のインタビューは英語で行い、翻訳したものを掲載しています。