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在学生インタビュー【小松原奈那子さん、ニック・コンチーさん、直美・ストックさん ダイキン社インターンシップについて】

今回は、昨年のインターシップについて、当時2年生の金千雪さんがまとめてくださった記事です。

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皆さんこんにちは!2年生の金千雪です。日本語プログラムで翻訳・通訳 (TI) を専攻しています。
今回は、2021年春学期終了後の夏休みに、テキサス州のウォーラーにあるダイキン・テキサス・テクノロジーパーク(DTTP)にてインターンシップをされた小松原奈那子さん (CI専攻2年生)、ニック・コンチーさん (CI専攻2年生)、直美・ストックさん (TLM専攻2年生) にお話しを伺いました。

—本日はお忙しい中ありがとうございます。はじめに、このインターンシップに応募した理由を教えてください。

奈那子さん: 私は大学院に入学した時点では翻訳・通訳の経験がなく、夏休みの間に実際の職場などを体験し、卒業後にむけて経験値を積んで視野を広げたいと思っていました。そこでダイキンの募集を見つけました。アメリカでの通訳は製造業が多いとも聞いていたので、ここでインターンができれば、通訳の現場としてどのようなものが多いのか知ることもできるのではないかと思い、応募しました。
ニックさん: 日本は製造業でよく知られており、英語圏で経営している会社もたくさんあるため、通訳・翻訳に対しての需要はこれからも変わらないはずです。私は将来、社内通訳またはフリーランスを目指していますが、どちらにしても製造業に関連した仕事をする可能性がかなり高いので、現場で製造業を勉強できたらもっともスキルアップにつながるのではと思って応募しました。
直美さん: 私はニックさんと違い、通訳・翻訳者を目指していませんが、このインターンシップを通してアメリカを拠点とする日本企業の視点を知りたいと思っていました。そして、日本語を使って通訳を学び、将来を切り開いていきたいと思い、このインターンシップに応募しました。

—具体的にどんなお仕事をしましたか?ニックさんはインターンシップの間テキサスに引っ越したそうですが、コロナ禍の影響で奈那子さんと直美さんはリモートからの参加だったと聞いています。その点何か違いはありましたか?

奈那子さん: 私はリモートでの参加でした。リモートで参加した理由はいろいろありますが、主な理由は私自身が日本からモントレーに来て一ヶ月ほどしか経っておらず、まだモントレーに慣れておらず、引越し作業も終わったばかりだったので、可能ならしばらくは移動したくなかったというものです。リモートだったのでニックさんとは違い、対面での通訳などができなかったので、やれることが比較的限られてしまったというのが素直な感想です。ですが、それでも役員の方が出席するZoom会議に定期的に立ち会わせていただいて、ダイキンの通訳チームの通訳を聞いたりすることで、実際の職場で求められるスキルについて学ぶことができました。また、会議の後には必ず通訳チームが質疑応答の時間を設けてくださったので、会議に立ち会って気になった通訳のやり方や、会議の内容について存分に聞いて学ぶことができました。
ニックさん: 私が今回テキサスに引っ越した主な理由は、対面式の通訳を試したかったからです。私たち1年生は昨年コロナ禍の影響でZoom上の通訳しかできなかったのですが、ウォーラーにある巨大なDTTP(ダイキン・テキサス・テクノロジー・パーク)では、初めて人の前に立って通訳することを体験できて、非常に嬉しかったです。
私たちは3人でZoomで行われた幹部ミーティングを見学したり、オンライン勉強会に参加していましたが、現場で大勢の作業者やうるさい機械に囲まれて通訳を体験できたのは私だけです。
ダイキンのインターンシップには毎年数十人もの参加者がいますが、そのほとんどがエンジニアリングを専攻にしている大学生です。インターンたちはDTTPの近くにあるアパートに住むこととなっているので、常に顔を合わせて情報交換やネットワーキングができたのも大きな利点の一つです。
直美さん: 私もリモートでの参加でしたので、私が経験できる仕事の種類は限られていました。しかし、私たちの見学が許可された会議が全てオンラインであったことや、上司との練習セッションがあったことは幸運でした。そうは言っても、テキサスに行っていたらダイキンでもっと有意義な体験ができたと思います。

—そこでニックさんへの質問ですが、テキサス州での生活はどうでしたか?

ニックさん: ヒューストンはテキサスの南東にあり、日本と似たような蒸し暑い夏が印象的です。そしてテキサスの大きな利点は、ガソリンや買い物など物価が基本的にカリフォルニアより全然安いということです。ただ、ウォーラーは田舎にあるため、車がないとなかなか生活ができない場所です。車でテキサスに引っ越したのは大正解でした!

ーインターンシップでの学びを聞かせてください。実際に働いてみて、普段の授業での通訳と何か違いはありましたか? また、直美さんはこのインターンシップ以前は通訳経験がなかったそうですが、今回を通してどう感じましたか?

奈那子さん: 一つ確実にこの先覚えておくべきだなと思ったのは、実際に喋る人は必ずしも正しい喋り方をするわけではないということです。当然のことですが、普通に喋っていると、人は基本的に話がそれたり、方言を使ったり、正しい文法ではなかったりと、教科書にはない喋り方をしてきます。普段の授業では、練られ、練習を重ねたスピーチなどが多いので、このような形の通訳はあまり経験してきませんでした。ただ実際にはこのように様々な喋り方に対応する必要性があると思うので、それに気付けたのはよかったです。
ニックさん: 授業では、全ての情報を正確に伝えることが重要とされますが、実際に現場で通訳してみたら、情報を伝えることだけではなく、コミュニケーションを支援することも通訳の大切な仕事だなと思いました。スピーカーが本当に言いたいことを捉えて、そしてこれを相手にわかってもらえるように伝えることには、人間関係に対しての観察力や柔軟性が求められます。
このような知識やスキルは授業で教えにくいので、やはり実際に現場での通訳に挑戦してみないとなかなか身につかないと思います。
直美さん: インターンシップの前は通訳の経験がなかったので、練習セッションを続けるのに苦労しました。経験不足にもかかわらず、私は新しい、価値のある知識を多く学びました。たとえば、通訳のためにメモを取る方法や、記憶の仕方を学びました。

—私もダイキンのインターンシップに興味があったので、オリエンテーションに参加したのですが、通訳者の育成に力を入れているとういう話が印象的でした。実際はいかがでしたか?

奈那子さん: 実際このインターンシップは、職務経験を積むというよりは、将来通訳者になるための育成をするという要素の方が強かったと感じます。特に序盤は現場にインターンを出したりはせず、通訳の練習会や業界の知識を教える説明会などが多かったです。また、インターンシップ中は通訳スキルを向上させるための目標を設定し、それの達成に向けて練習していました。なのでその目標に向けての進捗報告も度々行っていました。後半になるにつれて、翻訳などに携わらせていただくことも増えてきましたが、全体的に見るとやはり、育成するという方が全面に出ていた気がします。
ニックさん: そうですね、ダイキンは通訳者のための育成が充実しています。インターンの担当者の方は週に1〜2回、勉強会や説明回を行い、空調業界や日本の製造業について色々教えてくださいました。現場で通訳をしている時に、分からない単語やより深く知りたいコンセプトなどが出た場合、次の説明会でそれについて確認ができたのでとても便利でした。
また、このミーティングにはインターンだけではなく、正社員の通訳者も参加するので、その方々と話すことで社内通訳の仕事について色々学ぶことができました。
直美さん: 確かに、経験を積むことよりも、主にトレーニングに焦点を合わせていました。 そのため、企業で働くことにおいてのスキルはあまり学びませんでしたが、通訳の知識や職場環境の理解を深めることができました。

—これからダイキン社のインターンシップに応募する学生へのアドバイスや、読者へのコメントがあれば教えてください。

奈那子さん: ダイキンは通訳チームの方々がとても親切で、とても親身になってくださいながら通訳スキルの向上に向けていろいろと助けてくださいますので、とてもいい職場だと思います。また、ダイキンの施設は通訳ブースなども含め最新式なので、もし状況が許すのであればぜひ実際にテキサスに滞在してその場を体験してみて欲しいです。実際私はリモートでしたが、ダイキンの機材などに触れたり、通訳インターンとしてあまり多くに関われなかったのが心残りです。ですが、もしリモートでもなるべく参加できるようにダイキンの方々は最善を尽くしてくださるので、機会があれば無理のない範囲で頑張って欲しいです。
ニックさん: もし今後もリモート・インターンシップが提供されていても、できればテキサスに引っ越したほうがいいと思います。コロナ禍からの正常化が進むなか、対面式通訳の機会が増えると思われますし、現場を自分の目で見学することも非常に勉強になるので、対面式のインターンシップがおすすめです。
直美さん: ダイキンでの経験にとても満足しており、将来は喜んでダイキンに就職したいと思います。 現場で行われた学習体験の多くを逃したので、バーチャルではなく直接現地に行くことをお勧めします。

在学生インタビュー【ティム・サーさん ニンテンドー・オブ・アメリカ(Nintendo of America)でのインターンシップについて】

今回は、2学期終了後の夏休みに、ワシントン州のレッドモンドにあるニンテンドー・オブ・アメリカにてインターンシップをされたティム・サーさん(翻訳ローカリゼーション管理修士課程ローカリゼーション専攻2年生)にお話を伺いました。

シアトルのスペースニードル展望台にて

-今回はお時間をいただきありがとうございます。サーさんは今年、ニンテンドー・オブ・アメリカでサマー インターンとして働かれたそうですね。もともと同社ではインターン採用の予定はなかったと聞きましたが、どのようにしてインターンシップを獲得したんでしょうか?

ネットワーキングです!MIISのキャリアカウンセラーのエディーさんから、ニンテンドー・オブ・アメリカで働いている方をLinkedInで探して、空いているポジションがないか聞いてみてはどうかとアドバイスをいただきました。そこで、日本で働いた経験がある方や、MIISの卒業生など、自分と共通点がある方を探しました。そしてついに私の履歴書を社内で共有してくださるという方が現れ、人事部につなげていただくことができました。時間はかかりましたが、通常は2年契約でしか採用しないポジションで特別に夏だけ働かせていただくことになったのです。最初はどうなるか心配でしたか、最終的にはこうしてインターンシップを獲得できました。

-1日の勤務スケジュールはどんな感じでしたか?サーさんが所属していたチームや部署ではどのような責任や仕事を任されていたんでしょうか。 

私が働いていた言語サービス(Language Services)部署では、日本の国内拠点とやりとりをする社内文書を翻訳しています。多くがデベロッパーからのコメントでしたが、マニュアルガイドやプレゼン資料を訳すこともありました。通常、一日のはじめにデベロッパーのコメント・プラットフォームからひとまとまりの翻訳業務が入ってくるので、それを日本語に翻訳します。すべて翻訳し終わると、一日を通してプロジェクト・スペシャリストからもっと大きい翻訳案件が回されます。さらに、翻訳を中心とした様々なテーマについてのミーティングも頻繁に開かれていました。

毎週金曜日には、みんなでアイスを食べながら親交を深めるアイスクリーム・ブレイクも設けられました。

-ニンテンドー・オブ・アメリカでの経験はどうでしたか?今回のインターンシップでの学びを教えてください。 

とても良い経験でした!チームのみなさんも素晴らしい方ばかりで、優しく接していただきました。最初は、ローカリゼーションを専攻しているのに翻訳の仕事ばかりで少し残念に思っていましたが、最終的にはとても価値のある、学びの多い経験になりました。長い期間をかけて確立された効率的なワークフローを間近で見ることができた上、大学院での残りの1年間、何に焦点を当てて過ごすべきかについてもアドバイスをいただくことができました。そして言うまでもなく、とても興味深い方々との出会いもありました。

-MIISのTLM(翻訳ローカリゼーション管理)プログラムでの勉強は、ニンテンドー・オブ・アメリカでどのように生かされましたか?

MIISで勉強したことこそが、このサマーインターンシップを獲得できた大きな理由の一つだったと思います!CATツール(翻訳支援ツール)の使い方も既に勉強して知っていましたし、最近のローカリゼーションでよく使われているツールや専門用語も知っていたので、時間を無駄にすることなくスムーズにチームに溶け込み、すぐに仕事を始めることができました。また、MIISでの経験のおかげで、ワークフローやベストプラクティスなどについての会話にも自信をもって飛び込んでいくことができました。MIISでの経験は大いに生かされたと思います。

サーさんのニンテンドーグッズ

-最後に、ブログ読者の方にメッセージをお願いします。 

サマーインターンシップを探すにあたって私とまったく同じことをするのをお勧めできるかどうかはわかりません。このインターンを獲得するために春学期はずっとネットワーキングに努めていましたし、実はニンテンドー・オブ・アメリカだけに賭けているところがありました。ダメだった時のための他の選択肢は用意していなかったので、プレッシャーはとても大きいものでした。もし自分にとって夢のサマー インターンがあるのであれば、全力でそれに向かっていってほしいと思います。ただ、少なくとも他の選択肢も見ておくと良いかもしれません。

*今回のインタビューは英語で行い、翻訳したものを掲載しています。

在学生インタビュー【ショーン・ケリーさん Boxインターンシップについて】

今回は、2学期終了後の夏休みに、シリコンバレーの会社、Boxにてインターンシップをされたショーン・ケリーさん(翻訳ローカリゼーション管理修士課程2年生)にお話を伺いました。

−本日はお時間をいただきありがとうございます。ショーンさんはこの夏、Boxでインターンをされていましたが、今回のBoxでのインターンシップでは、具体的にどんなお仕事をされていらっしゃったのでしょうか。

Boxでは、ローカリゼーションチームのインターンとして、 Box製のソフトウェアに関する、ほとんどの翻訳プロジェクトの管理を担当していました。Boxはソフトウェアの会社で、ファイル共有や、ファイル上での共同作業を可能にするソフトを開発し、企業に販売しています。

ソフトはアジャイルソフトウェア開発という方法で開発されていて、これは開発されたソフトが継続的にアップデートされていくというものです。ソフトが常にアップデートされるので、ソフトに何か新たな文字列が追加されると、それがBoxの開発した「Mojito(モヒート)」と呼ばれる翻訳管理ソフト上に自動的に集められる仕組みになっています。私はそれを定期的にチェックし、新しい文字列が翻訳されるように手配していました。具体的には、Mojito上で新たな翻訳プロジェクトを立ち上げ、必要な作業を業者に依頼していくというものです。作業を依頼すると、業者からは進捗や遅れなどについて連絡が来るのでその対応をします。Boxでは、翻訳の作業と校正などの作業は別々の業者(LSP[翻訳会社])に依頼していたので、私はその二社それぞれに、週に一度スカイプをして進捗状況や次の作業について確認をしていました。

Boxのインターンは、各自何かのプロジェクトを任されます。プロジェクトは、後にソフトの開発に活かされるためのものです。私も二つのプロジェクトに取り組んでいました。まず一つ目は、ソフトの検索機能を日本語でテストするというものです。日本はBoxにとって非常に大きな市場なのですが、Boxのソフトには日本語での検索機能に、まだいくつかの課題があります。Boxの本社には日本語話者がいないことや、日本支社では他の業務がたくさんあるため、私が日本語で検索機能をテストし、何がうまくいって何がうまくいかないのか、それについて何かパターンはないか、などを調べる作業を担当させてもらいました。

もう一つ私が取り組んでいたのは、ある言語についてのABテストの方法についてです。このABテストは、言語を追加したり、変更を加えたりすることで、Boxのソフトのユーザーの使用体験にどのような影響があるかを確認する作業のことです。うまくテストを行うために何が必要か、様々なことを試しました。

また、ローカリゼーションチームは小さなチームだったので、それ以外にも多くの業務に関わらせてもらうことができました。さらにローカリゼーションチームの所属する、プロダクトチームの定例会議に参加させてもらうこともできました。プロダクトチームの取り組んでいることや、社内で起こっていることをたくさん知る機会となり、とても貴重な経験でした。

ところで、「Mojito(モヒート)」には面白い由来があります。ローカリゼーションチームは以前、モジチーム(Moji team)と呼ばれていました。というのも、ローカリゼーションチームは、たくさんの日本語の文字化けに対応しなければならなかったからです。あるとき、この製品の名前を考えていた開発者の方が、モジ(Moji)はモヒート(Mojito)に似ていると思いついたことから、「Mojito(モヒート)」という名前がつけられることになったそうです。私も実際、インターンシップ中に、モジ(Moji)の意味を聞かれて説明することがよくありました。

−インターンシップでどのような学びがありましたか。

インターンシップ中には、社内の様々な立場の方とのコミュニケーションについて学ぶことができました。ローカリゼーションを担当する私たちのチームは、モノやサービスが自分の母語で提供されている方が使い心地がいいだろう、楽しいだろうと考えるので、あらゆるものを様々な言語に訳したいと考えます。ですが、ローカリゼーションに必要な作業を実行するには、必要なコストや変更について、他の部署の方にきちんと根拠を示して説明する必要があります。

ですので、例えばある言語が追加されたことで、ユーザーがもっとお金を使ってくれるようになった、利用時間が長くなったなどを、示してくれるデータを探さなければなりません。また、どの言語に優先的に対応するかについても、「この言語は、これだけのユーザーがいて、これだけ多くのユーザーに影響するから、ぜひ対応するべきだ」というように言えないといけません。先ほどお話しした日本語の検索機能についてもそうです。日本は大きな市場ですが、もしこれが、もっとユーザー数の少ない他の言語に関わることだったとしたら、私が担当していた作業は必要にならなかったかもしれません。

またエンジニアの方とは、向こうには技術的な面から見て必要だと思うことがある中で、こちらが必要だと思うことをどのようにすればうまく伝えることができるのか、考える必要がありました。様々な立場の方に、ローカリゼーションについて理解してもらうために説明するのは、とても興味深い経験でした。

その一方で、私はイギリス英語版(コンテンツやユーザー・インターフェースなど)の改善にも取り組んでいた関係で、様々な種類の英語についても学びました。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスの英語について、何がどのように違うのかなどを、改めていろいろと調べ、学ぶことができたのはおもしろかったです。またBoxでは、英語のように、同じ言語でも地域差があるものは、一定のユーザーがいれば、それぞれに対応することも重視されていました。そのため、それによってどんな効果があるのかを示すデータを探すことにも取り組んでいました。

もう一つ興味深かったのは、翻訳者にはいかに文脈が必要なのか、改めてよく分かったことです。翻訳者の方に依頼するファイルは、表の中に、見出しのように言葉が並んだだけの形式でした。翻訳者の方は、それらが何のためのものか、開発者が書いた説明を確認できるようになっていますが、時々それを見てもよく分からないものも出てきます。そんな時にこの文字列はどこに表示されるのか、この表は何なのか、ここでは何が起こっているのか、など様々な質問を受けました。質問を受けると、それがソフトの中でどこに表示されるのかを調べて説明したり、スクリーンショットを撮って送ったりもしました。複雑すぎて突き止めることが難しい場合には、開発者に問い合わせたりもしました。最終的には、業者の翻訳担当部門の方に対してWebセミナーも行いました。ソフトの中で翻訳される部分がどのように表示されるのかなどを説明し、役に立ったと言ってもらえたのでよかったです。

−MIISで学んだことがインターンシップでどう活かされたか、お聞かせください。

一番大きかったのは、翻訳のプロセスについて把握していたことです。例えば、TEP(Translation, Editing, Proofreading)とは何なのか、それぞれの業者はどんな働きをするのか、どのようなプロセスがあってその中で翻訳はどの段階にくるのか、などです。何が行われているのかすぐに理解できたので、苦労なくすぐに仕事に入っていくことができました。

インターンシップ1日目の職場のデスク

CATツール(翻訳支援ツール)について知識があったことも、とても役立ちました。MIISで学んできたことのおかげで、全体的にあまり混乱することもなかったので、何が行われているのか把握するのに必死になるのではなく、どうすればユーザーのために改善していけるのか、どうすれば行いたい作業を実現できるのか、などに集中することができました。

また、少し意外というか、予想していなかったこともあります。はじめは、業者の方とスカイプをする時のことを考えると、きっと私は向こうの話す内容を分かっていないと思われてしまうのではと、とても緊張していました。ですが、結局心配の必要はなく、実際は業者の方と同じ目線や用語で会話することができていました。これはとても嬉しかったことです。

インターンシップでは、本当に素晴らしいチームで仕事をさせてもらい、とても良い経験をすることができました。私の上司はMIISの卒業生だったのですが、その方のおかげでインターンシップ中には、色々な場面でプレゼンテーションをする機会をいただきました。さらに、11月1日からシリコンバレーで開催されるLocWorldという会議で、エンジニアの方と二人でBoxを代表してプレゼンテーションをさせていただくことになりました。LocWorldでは、スタートアップ企業向けの、ローカリゼーションに関するパネルディスカッションが行われます。そこで私の上司が発表するよう依頼されていたのですが、スケジュールの都合で出席が難しいため、代わりに私に発表しないかと言ってくださったからです。うまくいくことを願っています。

LocWorldでケリーさんは11月1日に発表されるようです。頑張ってください!

*今回のインタビューは英語で行い、翻訳したものを掲載しています。