MIISでの第一学期

Filed under: MIISについて,T&I Student Life — Celine Browning at 8:17 pm on Monday, October 15, 2012

秋が深くなって参りました。皆様いかがお過ごしですか?会議通訳課程一年のブラウニングです。今回は私のモントレー国際大学院での専攻についてお話したいと思います。

私は人生のほとんどを日本で過ごしたアメリカ人です。高校での三年間と大学時代の交換留学以外は全て日本の学校で教育を受けました。私は日本で国際関係学の学位を取得し、ドイツで異文化間紛争管理論の修士を修得しました。子供の時に母親の為に通訳をしていたくらいで、それほど通訳には興味を持っていませんでした。しかし、人権や紛争問題を専攻していくうちに、これらの問題を扱う通訳になりたいという思いが芽生え、モントレー国際大学院を受験する事にしました。

会議通訳課程という事からもちろん私は日本語と英語の通訳・翻訳の授業を受講しています。本学では、第一言語(A言語)、第二言語(B言語)、第三言語(C言語)と言語が分かれており、二言語のみの場合はA言語からB言語、あるいはB言語からA言語へと通訳や翻訳をするように指導されています。しかし私はC言語で中国語も専攻しています。このように会議通訳課程で三言語を専攻する場合、C言語については、A言語方向へのみ通訳の勉強をします。これは言語能力を考慮して決められたことです。

三つの言語を勉強できる事によって本学の様々な学科の授業のあり方を比べる事ができました。やはり言葉や文化によって着目する点が異なるようです。中国語の授業では第一回目の授業から中国政治や経済についての通訳を勉強しています。新聞記事であったり、多国籍会議の資料であったり、教材は様々です。その上、中国語の場合は英語に訳する上でどのように原文の冗長さ(中国語的な表現スタイル)を改善するかにも着目します。

 

日本語や英語の場合は特に一つの分野に限らず、レシピや政治家のスピーチ、環境問題、祝辞や弔辞など、教材は実に多種多様です。また、各学科で教えられているノートテーキングの方法も言語や教授によりバラエティが見られます。クラスや教授によってメモ帳のページの分け方の指示が異なっていたり、記号や表記法も様々です。しかし中国語科で紹介された技や記号を別の言語でも活用出来るという事は非常に便利です。日本語と英語の場合も同じ事が言えます。どのクラスでも一貫してノートの簡潔さと解りやすさが一番強調されています。そのなかでクラスや自分のノートのほとんどが、オリジナル言語にかまわず日本語で取られている事にびっくりしました。多分平仮名が書きやすいからなのでしょう。

 

しかし、今まで考えた事のなかった問題にもぶつかりました。中国語を習っていた時は日中辞典を使って勉強していたので、MIISで英語に訳する時に直接英語に訳するのではなく、一旦日本語に直さなければいけない事に気がつきました。本来ならあまり気にならないのですが、サイトトランスレーションなど時間に制限のある時など、特に正確な訳を心がけなければいけない時に不便だと感じます。おかげで新しく中国語を英語で考える力が付きました。このように今まで気がつかなかった事も発見できる機会が沢山あります。

確かに三つの言語を均等に勉強するのはとても大変な事ですが、翻訳や通訳という言語が異なっていても統一性のある分野を三つの言語と文化の観点から新たに接する事が出来る機会を与えられたことを非常に嬉しく思っています。



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