MIISで環境政策を学ぶに至るまで

Filed under: Path to MIIS — Kaori Fujiki at 12:19 pm on Monday, March 4, 2013

皆さま

はじめまして。今回初めて投稿させて頂く、国際環境政策専攻2年生の藤木と申します。

MIISには、通訳翻訳プログラム(日本語専攻)以外にも、日本人学生が少なからず在籍します。とは言え、私の学ぶ国際環境政策プログラムには2013年春学期現在で、約40人中1人です。プログラム全体における留学生の比率及び出身地は、毎年変動するので一概には言えませんが、私の知る限り過去3年間で、日本人留学生は毎年1〜2人です。

今回は、私がMIISで国際環境政策を学ぶに至るまでの簡単な経緯をご紹介します。私は日本生まれの日本育ちです。小中高と日本の公立校に通い、大学では化学を専攻しました。大学卒業後は某自動車用品メーカーの海外営業部で働いていましたが、4年程勤務した後、退職して大学院で環境政策を学ぶことに決めました。

学生の頃から環境保全活動に興味があり、新卒での就職活動時には、環境NGOで働いてみたいとも思っていました。しかし、2000年代前半当時の日本社会にはまだ圧倒的に「環境保護=ボランティア=お金のある人が善意ですること」という固定概念が通っており、また、数少ない日本での環境NGOも新卒採用はしておらず、仕事として環境問題に関わることはなかなか難しいのが現実でした。

結果的に某メーカーに就職して働き始めたのは、「気候変動」という言葉が市民にも定着し、環境に対する企業責任という考え方が日本でも取り入れられ始めていた頃でした。「環境に優しい」を謳い文句にした商品が自社他社問わず次々に売り出され始め、「環境に優しい」とはどういうことなのか、私はよく考えるようになりました。仮に商品単体が「環境に優しい」としても、事業全体が「環境に優し」くなければ、それは単なる利益追求手段の一つで、グリーンウォッシングと呼ばれても否定できないのではないか。

そんな疑問が募り、環境問題に関わる仕事へのキャリアチェンジを目標に、大学院で専門知識を学ぶことにしました。毎日深夜まで仕事に追われる中、どうせ起きている時間の大半を費やすくらい仕事に情熱を傾けるのなら、より自分が興味のある仕事をしたいと考えたことも、決断を後押ししました。

環境政策分野に関しては、日本よりもアメリカの方が、大学院のカリキュラムも実際の政策も進んでいると分かり、アメリカに留学することにしました。MIISを選んだ理由の一つは、カリキュラムが環境政策のバックグラウンドを持っていなくても基礎から学べるように組まれていること、また、理系と文系の両科目が含まれていることでした。また、モントレーは、多くの環境NGOが本部を置くサンフランシスコに近いこと。モントレー沿岸自体も海洋保護区として様々な環境政策が実施されている地であること。そして、日本にひけを取らない安全な治安状態と雪の降らない穏やかな気候が決め手となりました。

次回は、国際環境政策プログラムの具体的なクラス内容とその様子、日々のスケジュール等をお届けします。

Kaori blog picture 1

モントレーには日本よりも一足先に春が訪れています。



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