フォール・フォーラム

Filed under: MIISについて,Professional Development — Celine Browning at 12:12 am on Tuesday, November 20, 2012

皆様、秋も深まり冬が近づきつつありますが、いかがお過ごしでしょうか?ここモントレー国際大学院では、先日フォール・フォーラムというイベントが開催されました。

フォール・フォーラムとは、主に通訳・翻訳課程の2年生が中心となって行うパネルディスカッションです。しかし、一般的なパネルディスカッションとはやはり少し違います。なぜなら、本学の学生が7言語で話される内容を英語に逐次通訳するという一面があるからです。この機会を通して1年生や学外の人が本学の通訳・翻訳課程の内容や質の高さを知ることができ、2年生は卒業してプロになる前の本格的な実績を積むことができます。本学の通訳・翻訳学科以外の学生も通訳がどのように異文化間コミュニケーションを可能にするのかがわかります。この催しは普段あまり関わりを持たない学科間の交流の場にもなります。

今回のフォーラムのテーマはスポーツでした。健康、経済、文化、ジェンダーなどの様々な観点からスポーツが論じられました。三つのパネルディスカッションがあり、テーマは次の通りでした。
1.Sports and Health: Run for Your Life!
2.Sports and Money: A Zero Sum Game?
3.Sports and Culture: Must have Balls to Play?

二つ目のパネルディスカッション

スピーカーにはもちろん通訳・翻訳学科の学生もいますが、スペイン出身の元アスリートの地質学者や、本学科のセネガル出身の教授、MBA課程の学生、ロシア出身のフリーランス翻訳者、国際環境政策学科のセネガル出身の学生(フランス語)、さらには中国出身の国防総省語学研修所(DLI)の教授などが参加されました。

たとえば二つ目のパネルでは、中国語>英語>スペイン語>英語>ドイツ語>英語>中国語の通訳が行なわれました。まず、モデレーターの中国語の質問を中国語科の学生が英訳します。それにスペイン語のスピーカーが答え、スペイン語科の学生が英訳します。さらにドイツ語の質問が続き、それがまた英訳され、最後には中国語のスピーカーが回答するといった具合です。

このフォーラムを通じて最も目についたことは翻訳・通訳学科での各言語ごとのスタイルの違いです。たとえば、日本語のスピーカーや通訳者の場合はやはり、動作や話し方の格調の高さに、特に注意が払われます。逆にスペイン語の場合は、スピーカーの話す速度がとても速く、カジュアルに感じます。手の動きも話者、通訳者の両者ともに惜しみなく導入し、話者の話し方を再現する通訳者もいました。ロシア語の場合は静かで落ち着きがあり、身振り手振りもありませんでした。とてもプロ意識の高い学科だと実感しました。中国語は本学で最も学生数の多い分野ですが、内容、話し方ともにとても質が高いものでした。

一つ気づいた重要な点は、通訳者が笑顔で話すと気分良く聞くことができるということです。

通訳者

アイコンタクトについても、常にではなくてもある程度の間を置いて客席を見ることにより、聞いている側は親近感を覚えます。もう一つ重要な点は、通訳者が適切な訳語を考え出せない時でも、わからない事を声や態度で示さず、堂々といかにも自信のあるように話せば聴衆の信頼を損なわないという事です。同じように、たとえば通訳者が服をいじったりペンを回したりすると、聞いている側は不安を覚えてしまいます。このような多言語の通訳を見ることにより、様々な真似るべき点、注意すべき点を再認識することができました。

このように本学では1年を通して逐次、同時通訳の本格的な実践を積む様々な機会があります。春学期にはTEDxトークというイベントがあるので、報告をどうぞお楽しみに。



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