Author Archives: Celine Browning

デポジション通訳

今回は先週の土曜日に行われた2年生のデポジション(証言録取)通訳の授業についてお話しします。

デポジションとは、裁判に備えて法廷外で証人が宣誓して行なう証言の録取です。このような場では通訳の正確さと厳密さが特に問われます。日本語学科では、ほぼ毎年デポジション通訳の授業が行われています。今年は両学年とも人数が少ないことから、1年生が証人や弁護士の台詞を読む機会を頂きました。2年生は通訳者とチェッカーの役割を担当しました。以前このブログでもご紹介した武田珂代子先生の東京裁判の通訳で説明されたチェッカーの重要性も改めて認識しました。

gavel2年生の期末試験およびプロフェッショナル試験を目前に控えたこの授業に参加するのは、私たち1年生にとってとても良い経験になりました。先輩方にとってはMIISでの勉強の締めのようなもので、間近で先輩方の通訳、ノートテーキング、チェック等を見ることができたのはとても勉強になりました。聞いていて問題が無かったと思う訳も、先生のコメントによるとヌケや付け足しがあるなど、気がつかなかった点が多数指摘されていました。このようなデポジションの場では、本当に一語一句正確に訳しなければいけない事の大切さを痛感しました。

先輩方が逐次も同時通訳も本当に立派にこなせているのを見ると来年の新入生に同じ姿を見せられるかが少し気になります…

通訳・翻訳者にも息抜きは必要!〜健康管理について〜

皆様、やわらかな春の日差しがうれしい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。モントレーで桜はもう満開を迎えました。

さて、キャリアフェアや中間試験が終わったということで、この度は健康管理についてお話させていただきます。

Mardi Gras Museum

ルイジアナ州のMardi Gras Museum

今学期から校内で多くのKeep Calm Wellness Series(平静を維持するための講座)を目にします。これは、学校が学生の健康を気遣って提供してくださっているプログラムです。具体的には、バランスを保つためのアドバイス、頭と体を一体化させるためのアドバイス、ストレス管理のためのアドバイス、平静を保つためのストレッチ講座のように分類されています。四つとも受講することが可能ならそれに越したことはありません。しかし、授業や個々別々の理由などで本校の学生は多忙です。ですので、一つの講座だけ受講しても最大の利益を得られるように工夫されています。(特に春学期は秋学期に比べて大変ということもあり、この講座は春学期に行われています。)

そのほかにも、本学のウェブサイトには学生がどのように心や体の健康管理をするべきかのガイドラインが書いてあります。忙しい大学院生にとって欠かせないのはなんといっても運動です。ウェブサイトによりますと運動にはいくつかの利点があります。

1)気分の向上
2)体重管理
3)エネルギーレベルの増加
4)睡眠の質の向上
5)運動の楽しさ

等があります。確かに、気分も良くなく睡眠も充分に取れていなければ体や脳はフルに働きません。体重も増加しエネルギーも低下します。効率よく勉強するには毎日適度な運動が不可欠です。ここモントレーは自然環境に恵まれているので、軽いウォーキングやランニング、サイクリングやその他屋外の運動に最適です。もちろん、ジムやその他様々なダンスやエクササイズの選択肢も数多くあります。

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

ルイジアナ州の住宅

次に重要なのは栄養です。近年、忙しい学生や社会人は朝食を食べない傾向が見られるようになってきています。しかし、朝食を食べなければ脳は目覚めません。食物繊維やカルシウムも不足しがちです。バランスのいい食生活を維持することは体重・健康管理、効率的な勉強にもつながりますし、バランスの取れたメニューを考えて料理をするのも息抜きの一種になります。さらに、よく忘れがちなのは水を飲むことです。食べるのと同じくらい,水を摂取することは大切です。健康を気遣いながら体の訴えることに敏感になることでストレスも減り、もう少しゆとりのある毎日が過ごせるのではないのでしょうか。不眠や睡眠不足などの解消法や、8時間の睡眠をとることの重要性なども同サイトに載っています。日頃の生活に生かしてみてはいかがでしょうか。

モントレーには世界的にも有名な水族館、モントレー美術館、カーメル・ミッション、歴史街道、その他様々な身近で簡単なレクリエーションにあふれています。ショッピングもアートからファッションまで様々です。サンフランシスコや和食材が購入できるサンノゼもそれほど遠くありません。少しの時間の管理や運動、ストレス解消を日々の生活に取り入れることでパターン化しつつある毎日も有意義なものに変化します。時間がないと決めつけず、一度試してみることをお勧めします。

サンディエゴのデルマール海岸

サンディエゴのデルマール海岸

春休みということもあり、私は今まで訪れたことのない、南部・ルイジアナ州に足を運びました。新しいところには発見が沢山あります。同じアメリカでも食生活、言葉遣い、文化が大きく異なり、教室では学べないことがたくさんありました。さらには同じカリフォルニア州南部のサンディエゴ郊外、デルマールにも行きました。同じ州でも北部、南部とで景色にも雰囲気にも違いが見られます。本学で学んでいる間、機会があれば国内の多様な文化や生活様式が体験できますので、勇気を出して遊びに行くのをお勧めします。

では、残りの数週間の学校生活を有意義で健康に良いものにできるように頑張りましょう!

一年生の逐次通訳実践〜武田珂代子先生による講演会を控えて

春まだ浅いこのごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、前回は二学期についての記事でしたが、今回は来週予定されている武田珂代子先生の講演会について書きたいと思います。

まずは、武田先生の簡単なご紹介です。武田先生は現在、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授としてご活躍されています。先生のご専門は、通訳翻訳研究で、ご自身は本学の通訳・翻訳学科を卒業されています。1994年から本学で教鞭をとられ、その間、本学教員でもいらっしゃるアンソニー・ピム教授の下、スペインのロビラ・イ・ビリジリ大学で博士号を習得されました。

写真さて、このたびのご講演は、武田先生の博士論文のテーマでもありました「東京裁判における通訳」についてです。今回はなんと私たち一年生に通訳の機会が巡ってきました。一年生がこのような講演の逐次通訳を本学で行うのは初めてのことです。これまで二回ほど二年生の先輩方の逐次通訳を見る機会がありました。その二年生の前や先生方の前で通訳に挑戦するのは、いくら私たちが将来プロを目指しているといえども、かなりの緊張を強いられるものです。

来週に向け、通訳担当者の私たちは様々な準備をしています。例えば、武田先生についてのリサーチは言うまでもありません。先生についてのご紹介などのとき、知識不足で正確な訳ができなくては話になりません。次に,英語と日本語で先生の著書を読むことも必須です。これは、先生が使われる東京裁判関連の用語を両言語で把握しておくためです。これらの単語をまとめた用語集も作成します。さらに、インターネットなどで調べられる範囲で東京裁判や通訳、そのほか関連性のある内容にも一通り目をとおしておきます。

先生のご講演は来週の金曜日です。ですので、次回のブログはもう一人の通訳を担当する一年生の事後発表になるかと思います。私たちはまだ経験の浅い一年生ではありますが、またとない機会をいただいた以上、恥をかかないよう頑張りたいと思います。

では、次回をお楽しみに…