Panasonic Energy of North Americaでの体験について②【安部望海さん】

みなさんこんにちは。日本語プログラム翻訳通訳専攻2年生の安部望海です。今回は、前回に続いて、私が夏休み期間中に派遣社員として勤務した、Panasonic Energy of North America(以下PENA)での経験について伝えします。前回の記事はこちらからどうぞ。

担当業務について

私は、夏の3ヶ月間、エンジニア部署専属の通訳・翻訳者として、リチウムイオン電池の製造工程で使用される2種類の設備の立ち上げに携わりました。8時の朝礼から始まり、日中の会議の同時通訳、夕方には日本メンバーとのオンライン会議の逐次通訳を担当します。会議以外の時間は、他の会議の資料やマニュアルを席で翻訳し、その間も、声をかけられれば社員さん同士のちょっとした会話をオフィスにて通訳。忙しい日はお昼を食べる暇もないほどでしたが、最低限、喉を枯らさないように水筒を常備しながら会議室を行き来しました。

夕方オフィスで翻訳をしていると、担当外の通訳もやってみる?と声をかけて頂き、人事や経営管理にまつわる内容の通訳をすることも。それからは突発的な依頼のチャンスを狙って、敢えて残業するようになったこと、上司は気づいていたかもしれません。(笑)

3ヶ月で学んだこと

3カ月間で学んだことは大きく3つです。1つは、通訳が、話者と同じレベルで意味を理解することの大切さです。業務初日から専門用語の嵐にさらされ、これは机上で学ぶものではない、、、!と感じた私は、厚かましくも社員さんに工場内のツアーをして頂いたり、担当設備の傍に居座ってみたりを習慣づけました。勿論、たった数ヶ月でエンジニアレベルには到底追いつけませんが、毎日工場内を歩くことにより、彼等の間で飛び交うやりとりが、自分にとっても少しずつ「身近な話題」になっていくのを感じました。私の場合は、納得感を持って通訳をするためには、実物を見る、触れることが一番の近道でした。

2つ目は、体調管理の大切さです。時差を理由に夕方から始まるオンライン会議は、場合によっては2時間を超えることもありました。内容が複雑でなくても、一定の長さを越えると、言葉の意味を汲み取りづらくなることを感じたのは面白い発見でした。自分の体力の限界と、効果的な体調管理の方法について、身体で学び考える良い機会だったと感じます。

3つ目は、インハウスとしての仕事の楽しさです。夜遅くまで続く会議や、3カ月の集大成となる決算会議等にて感じたやりがいは、毎日顔を合わせて仕事をしていたメンバーとだったからこそ味わえた感覚でした。エンジニアの社員さんと同等に、私も通訳という専門的なスキルを使って、一メンバーとして貢献できているんだ、そう感じさせてくれたチームに感謝しています。今のところ、卒業後も、まずは現場での通訳、翻訳スキルに磨きをかけられるような企業で、インハウスとしてキャリアをスタートしたいと考えています。

2年生になった現在

9月からはモントレーに戻り、残り5カ月の学生生活を過ごしています。今年の授業は1年目以上に、扱うトピックの理解度が肝となってきます。訳出、ノートテーキングの練習も勿論大切ですが、それ以上にトピックについての幅広く深い知識が必須です。卒業までの道のりは、まだまだ長いように感じますが、この3ヶ月を経て再確認できた通訳の難しさと面白さが、今の私の糧となっています。初心を忘れず、最後まで走り切りたいと思います。

終業後の夕日。ネバダの夏はからっと乾燥して晴れた日がほとんどでした。
週末に出かけたラッセン火山国立公園。滞在先のRenoは、日帰りでタホ湖や国立公園に遊びに行くことができ、自然好きの私にとって好立地でした。